今さら聞けない! 純喫茶、喫茶店の違いって? プロに聞いてみた
今さら聞けない! 純喫茶、喫茶店の違いって? プロに聞いてみた
いま若い女性の間で大ブームの純喫茶めぐり。でも純喫茶って一体何だっけ? と思っている方も多いはず。そこで、喫茶カルチャーなどに詳しい識者・田中慶一さんに、純喫茶が生まれた理由、喫茶店、カフェの違いや歴史について、詳しく聞きました!
Q.純喫茶が何周もまわって今ブームだけど、そもそも純喫茶って何?
Q.純喫茶が何周もまわって今ブームだけど、そもそも純喫茶って何? 『銀座ライオン』の前身であるカフェー時代の『ライオン』 純喫茶の前に、実は、カフェーというものが、昭和初期に流行りました。カフェじゃなくて、カフェー(うしろにアクセントがついて伸ばす)です。コーヒーのほか、洋食やアルコールも提供していて、女給さんがいたり、ダンスを披露するお店があったり、とにかく当時流行ってたんです。今でいうキャバレーというかスナックに近い感じ。でもカフェーという店名でひとくくりにすると、そういう風俗的なお店と普通の喫茶店の見分けがつかなくて、未成年が入店してしまったり、問題が起きたんですね。それは由々しきことだと政府が思って取り締まることに。純粋に喫茶を楽しめる、アルコールの提供などがない店を純喫茶と名乗るルールにしました。そこから純喫茶という名前が生まれ、今に至ります。そして、喫茶店も細分化されていき、Jazz喫茶が生まれたり、カフェ&バーができたり、個性を打ち出すお店が増えていきました。現在は、純喫茶と、喫茶店の決定的な違いは、アルコールを提供するか否かで分けられるようです。でも喫茶店や喫茶室と名の付くお店も、実態は純喫茶だったりすることが多いですね。
Q.純喫茶、喫茶室のルーツ、第1号店はどちらと言われていますか?
Q.純喫茶、喫茶室のルーツ、第1号店はどちらと言われていますか? 『銀座ライオン』の前身であるカフェー時代の『ライオン』の外観 諸説あるのですが、東京・上野にあった『可否茶館(かひさかん)』がルーツと言われています。コーヒーを楽しめるほか、ビリヤード、トランプ、クリケット、碁、将棋など娯楽も楽しめたとか。大人のハイカラな社交場として人気だったようです。ちなみに、初めてコーヒーをお店で出したのは、神戸のお茶屋『放香堂』といわれていて、社会の教科書にも載っています。明治10年代の頃で、コーヒーを飲む人も少なかったようですが、神戸は外国の人が多かったから、早かったのかもしれませんね。カフェーのルーツは、明治40年ごろにできたカフェープランタンやライオンと言われています。現在の銀座ライオンは、飲める洋食レストランですが、もともとはカフェーだったそう。