ピューリッツァー賞受賞の名作戯曲を映像化!オスカー候補作『ピアノ・レッスン』本予告
サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・デヴィッド・ワシントン出演のNetflix映画『ピアノ・レッスン』が11月22日(金)より配信。このたび、“魂の熱演”が心に響く本作の本予告が解禁となった。 【写真を見る】姉妹の対立に心を痛める叔父をサミュエル・L・ジャクソンが演じる 本作は家宝のピアノを巡る対立が原因で家族の絆が揺るぎはじめ、葛藤する一家の姿を描くヒューマンドラマ。「オスカーに相応しい作品」(Variety誌)や「最高の布陣で舞台から銀幕へ」(Entertainment Weekly誌)とメディアでも支持を集めており、同じくNetflix映画の『喪う』(24)や『ウィル&ハーパー』(24)と共に今年度の賞レース界隈を賑わす作品として注目を集めている。 “過去”か“未来”か──、チャールズ家では、いま争いが始まろうとしていた。姉バーニース(ダニエル・デッドワイラー)と弟ボーイ・ウィリー(ワシントン)を引き裂くのは、一台の家宝のピアノ。バーニースは一家の唯一の遺産であるピアノを先祖の歴史とともに守り抜こうとし、ウィリーはピアノを売って一家の財産を築き未来に活かそうと考える。 予告映像では、荘厳な音楽が耳を包み込むなか、「あのピアノは家族の歴史だった。祖父がこれを全部彫った」と、ピアノに秘められた事実が語られていく。そして、姉弟間の不協和音は深まり、互いに「バーニースはピアノを絶対に売らない。父親の死因だからさ」、「先祖の遺産で生きていく。ここにあっても弾いていない」と真っ向から対立してしまう。叔父(ジャクソン)が姉弟の仲を取りなそうとするも、彼自身でさえ過去の亡霊を抑えることはできず、次第に呪われた家族の歴史が姿を露わにしていく。 苦境から立ち直る力、人知を超えるものが織りなす世代間のダイナミズムを模索する物語が展開。過去をどう受け止めるのか、受け継がれてきたものの行く末を決めるのは誰なのか。先人たちの歴史、家族の対立、その先にあるものとは? ピューリッツァー賞を受賞したオーガスト・ウィルソンの戯曲「ピアノ・レッスン」を映像化した本作。プロデューサーには、『トレーニング デイ』(01)でアカデミー賞主演男優賞の受賞歴も誇る名優であり、直近では『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(公開中)にも出演、そして監督、映画製作者としても名を轟かせるデンゼル・ワシントン。監督は、本作で長編映画監督デビューを果たすマルコム・ワシントン。キャストには、ジャクソン、ジョン・デヴィッド・ワシントンに加え、ダニエル・デッドワイラー、レイ・フィッシャーらが伴奏する。 音楽は、『グランド・ブダペスト・ホテル』(13)、『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)でアカデミー賞作曲賞を受賞した名匠アレクサンドル・デスプラ。映画として“カバー”された傑作戯曲の音色が、再び2024年の年末に鳴り響く。 映画賞が盛り上がりはじめる季節にいよいよ突入。Netflix作品では今年も、『ピアノ・レッスン』に加え、『喪う』や『ウィル&ハーパー』など数々の作品が有力候補になるとされている。エリザベス・オルセン、ナターシャ・リオン、キャリー・クーンが三姉妹を演じる『喪う』は、2023年のトロント国際映画祭で公開され、Variety誌が「(本当の)姉妹がすることのように、主演俳優たちはオスカーレースを通じてお互いを支え合うだろう」と評する、ユーモラスで甘くせつない家族の物語だ。父親の死が迫ったことをきっかけに疎遠だった三姉妹がニューヨークのアパートに集まり、父の世話を通してお互いの壊れた関係を修復しようと奮闘する。 また、『ウィル&ハーパー』は、ウィル・フェレルの長年の友ハーパーがトランス女性としてカミングアウトし、ロードトリップを通じて、自分らしく生まれ変わったハーパーをお披露目しながら絆を深めていくドキュメンタリー。心が洗われるような本作の“とある箇所”で歌われる、心にじんわり響きわたる音楽が映画賞の注目を集めるとも言われている。 Netflixが奏でる、心に灯をともすこの3作品。映画賞ノミネートへの期待を寄せつつ、この冬、ぜひ耳を傾けてほしい。 文/平尾嘉浩