早稲田実業が悲願の全国初出場!自慢の堅守で國學院久我山に2-0と完封勝利!
第102回全国高校サッカー選手権東京予選の2次予選Aブロック決勝が11月11日に行われ、國學院久我山と早稲田実業が対戦。早稲田実業が2-0で勝利し、全国大会出場を決めた。 【フォトギャラリー】國學院久我山 vs 早稲田実業 キックオフ時の立ち位置から、狙いはハッキリと表れていた。魅惑のパスサッカーを誇る國學院久我山に対し、早稲田実業は守備ブロックを自陣深いエリアにセット。明白な構えで見せたリトリートからのカウンターという戦術は、いきなり奏功した。 開始早々の1分、ロングカウンターからFW9久米遥太(3年)が抜け出して起点を作り、敵陣深いエリアに侵入。そこからタメを作って右サイドからクロスを上げ、一度は相手に防がれたものの、こぼれ球を拾ったMF6岩間一希(3年)からFW8竹内太志(1年)へとつなぐ。最後はFW竹内が冷静なフィニッシュで先制ゴールを決めた。 先手を取った早稲田実業は5-3-2のシステムでさらに強固な守備ブロックを築く。プレスを連動し、チャレンジ&カバーも徹底。自陣に押し込まれていたとはいえ、組織的なディフェンスは大崩れしなかった。 守備に徹するだけではない早稲田実業は27分、カウンターで敵陣に入り厚みのある攻撃を仕掛ける。右サイドからクロスが上がると、逆サイドでクリアボールを拾ったDF11スミス聡太郎(2年)がシュート。再び相手DFが弾いたボールに反応したMF7西山礼央(3年)が見事なダイレクトシュートを突き刺し、追加点をマークした。 前半にボールを保持していた國學院久我山は、後半に入ってもポゼッションサッカーで敵陣に押し込んだ。しかし、パスを回せても、目立ったチャンスを作れない。 國學院久我山は積極的に交代カードを切りながら攻勢を強めるも、相手の守備網をなかなかこじ開けられない。それでもドリブル突破やループパスなど攻撃に工夫を凝らし、少しずつゴールに迫った。 一方で2点差がありながらも時間が過ぎているのも確かで、國學院久我山には徐々に焦りが見えてきた印象。すると対する早稲田実業には落ち着きが生まれていく。 早稲田実業は68分、ビッグピンチをGK1高村裕(3年)のファインセーブで凌ぐと、終盤も身体を張ったディフェンスで対抗。ボール保持者に対してDFふたりで対応する守備の連係、走力は最後まで切れず、カウンターで押し返すシーンも作るなど試合巧者ぶりも光った。 そして迎えたタイムアップのホイッスル――。歓喜の笛が西が丘に鳴り響いた瞬間、早稲田実業の選手たちは拳を突き上げたその手の中に、悲願だった全国初出場の切符を収めた。 (文=志水麗鑑 写真=矢島公彦)