『9ボーダー』川口春奈×新井順子Pが語り合う 最終回は「みんなの思いが詰まった結末」
毎週金曜22時よりTBS系で放送されているドラマ『9ボーダー』最終話の放送を前に、川口春奈と新井順子プロデューサーのインタビューコメントが公開された。 【写真】川口春奈が印象に残っているシーンにあげた第1話の桜シーン 本作は、19歳、29歳、39歳と、各年代のラストイヤー=「9ボーダー」真っ只中の3姉妹を主役としたヒューマンラブストーリー。父の突然の失踪を機に一つ屋根の下に集結した3姉妹が、「LOVE」「LIFE」「LIMIT」の“3L”をテーマに、モヤモヤや焦りを抱え幸せになりたいともがきながら、人生を前向きに進んでいく姿を描く。 最終回を前に、主人公・七苗役の川口とプロデューサーの新井が対談。2人の印象に残っているシーンは? 「私は銭湯での入浴シーンと、3姉妹揃ってのシーンですね。何か食べたり、喧嘩したり。あとはやっぱり第1話の桜の場面です。実際に撮影で行ったときはすごく綺麗で、個人的に大好きなシーンです」(川口) 「いろいろありますが、2話で七苗が同僚の千尋(奥村佳恵)に本音を伝える電話のシーンですかね。ドライ(撮影のリハーサル)を見ながら1人で泣いていました(笑)。そして私も1話の桜のシーンはとても印象に残っています。天候などの影響で3回ぐらい撮影を飛ばしてようやく撮れた映像なので、感慨深いです」(新井) 川口と新井は2021年に放送されたTBSドラマ『着飾る恋には理由があって』でもタッグを組んでいる。約3年が経過し、互いにどんな点が変化したと感じたのか。 「特にここが変わったということはないのですが、前作から3年の時を経て、お互い色々なジャンルの作品を経験してきた中で、やっぱり新井さんは愛情がすごいんですよね。どっぷりと没入する方なので、その熱さがにじみ出ているんです。こういう方ってなかなかいないよなと再確認しました」(川口) 「没入ね(笑)。前回の『着飾る~』のときは、川口さんとは最初に人見知りが故の距離感から始まり、最後はすごい仲良くなって。今作ではどうなるかなと思っていたのですが、今回はキャストの方々ともすぐに仲良くなっていました。スタッフとも、『着飾る~』のときと同じスタッフが多くいたというのもあるかと思いますが、すぐに仲良くなっていて。ちょっと大人になったのかなと思いました(笑)。お芝居の瞬発力は相変わらずすごくて、そこは変わらないですけどね」(新井) 最終話を前に、2人が『9ボーダー』だからこそと胸を張れるポイントは? 「やっぱり3人の姉妹感じゃないでしょうか。前室(撮影の待機場所)って結構広いんですが、いつもぎゅーっとくっついていて。本当にリビングにいる3人みたいな空気感です」(新井) 「気を遣わなくてよくて、本当に家族っぽいですね。何も話さないときもあるけど、それはそれで苦にならなくて。本当に家族みたいな感じです」(川口) 「初めは『仲良くなりたい!』と頑張っていたところもあると思いますが、すぐに打ち解けて、そのあとは誰かが無理して仲良くしようということもなく自然体でいられて。あっという間に4カ月が過ぎていたので、これは本物だなと。誰か1人でも前室から出て、控室に戻っていればきっとこういう空気感ではなかったのかもしれないですけど」(新井) 「誰も控室に戻らなかったですね」(川口) 「男性陣とも仲良かったよね。松下洸平さんはみんなより年上なんですけど、松下さんいじりをしたりとか(笑)。本当に近所の幼なじみみたいな距離感だったよね」(新井) 「その雰囲気には本当に救われましたね。そういったチーム感が一番の強みじゃないでしょうか」(川口) 再タッグとなった本作を経て、互いに変化した点は? 「私は七苗とは立場は違うけど、実年齢が同じということもあって、いろいろなことを学べたと思います。29歳の頑張る女性へのメッセージといいますか、脚本の金子ありささんのセリフもグサグサ刺さって。自分がやりたいことに向かって頑張るというのがいいんだな、それが正解なんだなということを学びました。そして家族っていいなと改めて思いました」(川口) 「誰かが言っていましたが、年齢はただの数字であって、いくつになっても挑戦できるし、なんだってできる。『もう』とか、『でも』とか言わないで。劇中のセリフでも『もう29歳じゃなくて、まだ29歳』というのがありますが、そういうマインドでいたほうが人生は楽しめるということを学びました」(新井) 2人にとって、『9ボーダー』は今後も振り返る大切な作品になったようだ。 「年齢なんてどうだっていいし、自分がやりたいことをするのが正解なんだよというのを教えてもらった作品なので、自分をすごく肯定できた気がします。自分は1人じゃなくて、周りにはいろいろな人がいて、助けてくれる。未来の自分の背中を押してくれる作品になるのではないかと思います」(川口) 「脚本作りの際に、わりと自分を投影しているときもあります。あのとき自分はこう考えていたんだなと、のちのち思うのかもしれません。自分のロールモデル(笑)。また、今作では仕事についていろいろな人から話を聞きました。『こんなことが許せない』とか『こんなことをしたい』とか、周りや世間の声を反映しているので、5年後とかに振り返ったときに『昔ってこういうことあったよな』と思い返すのではないでしょうか」(新井) 最後に視聴者に向けてメッセージを送った。 「第9話でだいぶ悲しい終わり方をしてしまい、コウタロウの過去とか、1時間で回収できるのかというくらい盛りだくさんの内容です。3姉妹の行く末も、明るくポジティブな未来になっていてほしいなと思いますし……。みんな頑張っているから、全員幸せになってほしい。どのような結末になるか、ぜひ楽しみにしていただければと思います」(川口) 「この作品を観て、自分を好きになってほしいなと思います。自分は自分でしかなく、何歳になっても、今の自分がいいなと思えるように。人の人生を羨むのではなく。結末については非常に頭を悩ませました。本当にいろいろなパターンが想定できて。いろいろなラストの形があったのですが、キャストやスタッフみんなの思いが詰まった結末になっていると思いますので、ぜひ期待してください」(新井)
リアルサウンド編集部