ECBブイチッチ氏、3期目就任に不透明感-クロアチア新連立政権で
(ブルームバーグ): ユーロ圏の金利が重大な分岐点を迎えつつある中、クロアチア国立銀行(中銀)のブイチッチ総裁の去就が、同国の新政権発足を受け不透明になっている。
今月始動した連立政権は、ブイチッチ総裁(59)に3回目となる6年の任期を与えるかどうかを7月13日までに判断する必要がある。だが議会選挙の結果、プレンコビッチ首相のクロアチア民主同盟に、反移民を掲げる政党が与党として加わったことで人事が複雑化しており、ブイチッチ氏の今後は見通せない。
同氏がメンバーに名を連ねるECB政策委員会は異例のインフレ対策を進めてきたが、近く利下げを始めるとみられている。
ブイチッチ氏はECB理事候補と目されており、交代となれば2013年に加盟した欧州連合(EU)内で発言力を高めるというクロアチア国内の期待にも水を差しかねない。
欧州が不安定な時期にECB政策委に加わった同氏は、同僚と共にロシアのウクライナ侵攻に伴う物価上昇の抑制に当たり、タカ派としての評価を確立した。クロアチアは23年から共通通貨ユーロを採用している。
原題:ECB’s Vujcic Faces Uncertain Future With New Term in the Balance(抜粋)
--取材協力:Alexander Weber.
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Jasmina Kuzmanovic