千代女の足跡をマップに 白山の俳句館が作成 ゆかりの地や句碑、ひと目で
白山市千代女の里俳句館は、松任生まれの俳人・加賀の千代女の没後250年を記念し、市内の句碑やゆかりの地がひと目で分かるマップを作成した。千代女の足跡が色濃く残る松任地区中心部だけでなく、広域の図もつけ、各ポイントの写真やそこに刻まれた俳句を記載。同館は行楽の秋にマップを手に、多くの人に「千代女ツアー」を楽しんでほしいと期待している。 千代女に関するマップはこれまで、俳句館や周辺の文化施設を紹介するチラシはあったが、千代女に特化したものは初めて。 中町の真宗大谷派聖興寺(しょうこうじ)で今月5日、250回忌法要が営まれるなど大きな節目を迎えていることから、俳句館は千代女の発信を強めるためマップ作りを進めてきた。 マップはA4判のカラーで、表面にIR松任駅前の俳句館や松任ふるさと館、千代女の住居跡に建つギャラリー千代堂などゆかりの地7カ所と、松任城址公園をはじめ句碑がある4カ所をまとめて記載。故地の写真とともに、「月も見て我(われ)はこの世をかしく哉(かな)」(聖興寺)や「梅咲くや何が降(ふっ)ても春ははる」(市立博物館前)などの句を紹介している。 広域の図を記した裏面には、千代女の俳句が四つの橋に計16句刻まれた山島地区の用水や、若かりし千代女像が安置された若宮八幡宮、三つの句碑が集中する美川地区を取り上げている。 北陸新幹線の線路やトレインパーク白山、IR西松任駅など今年、市内に生まれたスポットや景観も盛り込み、千代女の関連地とともに周遊することを促している。 俳句館の作本香館長は「マップは写真をふんだんに使い、句も充実している。街歩きに活用し、千代女に関心を持つきっかけにしてほしい」と話した。