【ボクシング】「モンスター2世」坂井優太が2回TKOデビュー「もっと技術みせられれば」
<プロボクシング:フェニックスバトル117大会>◇25日◇東京・後楽園ホール ボクシングの22年世界ユース選手権バンタム級制覇などアマ7冠の実績を誇る坂井優太(19=大橋)がTKO勝ちでプロデビューを飾った。韓国スーパーバンタム級3位キム・ジヨン(26=韓国)とのバンタム級8回戦でプロ転向初戦に臨み、2回1分25秒、TKO勝利でプロ初陣を飾った。坂井は「試合前は不安とワクワクの気持ちでいっぱいだった。ちょっとかたかったが、勝てて良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。 【写真】TKO勝利した坂井優太は笑顔 序盤から攻勢に出た。「向き合ってタッチして、大体のパンチ力が分かった」とスピード感あふれるワンツー、左ストレートで攻め続けた。1回に右フックでダウンを奪うと、続く2回にはギアをあげて左ストレート、右ボディーと上下に打ち分けて連打。最後はキム陣営のタオル投入によるTKO撃破となった。 坂井は「(ダウンさせたパンチの)手応えはなかったが、タイミング良く当たった。ただ力みがあって、あまり良くはなかった」と率直な感想を口にした。実力差をみせつけるワンサイドの戦いとなったものの「もっと技術を見せられれば良かった」と反省することも忘れなかった。 所属ジムの大橋秀行会長(59)によると、次戦は8月下旬を予定している。坂井は「対戦相手も含めておいおい決まってくると思う。もっと強くなって(リングに)帰ってきたい」と決意を新たにした。既に同門の4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31)の愛称にあやかり「モンスター2世」と呼ばれている。 坂井は大橋会長から「大橋ジムのドラフト1位」と大きな期待を寄せられている大器。日本男子3人目の世界ユース制覇を含むアマ7冠(高校6冠)、アマ47勝1敗と堂々たる実績を持つ。昨春まで大学進学、オリンピック(五輪)出場を目標に掲げていた。しかし国際ボクシング連盟が国際オリンピック委員会に組織の管理体制を問われ、ボクシング競技の五輪開催も危ぶまれていた時期があり、進路を悩んでいた。その頃、大橋ジムから誘いを受け、昨年6月には1度、出げいこを経験。井上尚弥から「結局、自分の覚悟だよ」と進路決断へのアドバイスを受けた。約1週間、幼少から指導を受ける伸克さんの意見にも耳を傾け、プロ転向を決めていた。 ◆坂井優太(さかい・ゆうた)05年5月27日、兵庫・尼崎市生まれ。小学1年から社会人野球を経験していた父伸克さんの勧めで、親子二人三脚でボクシングを開始。西宮香風高でボクシング部に所属し、1、2年で総体、選抜を連続制覇。2、3年時に国体連覇して高校6冠を獲得。22年世界ユース選手権バンタム級で優勝した。アマ戦績は47勝1敗。身長173センチの左ボクサーファイター。