【LiLiCoのこの映画、埋もらさせちゃダメ!】もう衝撃の連続です『ジョン・レノン 失われた週末』
TV『王様のブランチ』で2001年から映画コメンテーターとして出演するほか、マルチに活躍されているLiLiCoさん。これまでも数々の映画をナビゲートしてきたLiLiCoさんに、「これは絶対に観逃してほしくない!」という“埋もらせ厳禁”な映画について語っていただきます。 【全ての画像】『ジョン・レノン 失われた週末』『ありふれた教室』
エンドロールまで面白い仕掛けがされているので、ぜひ最後まで席を立たないで!
みなさん、GWは楽しめましたか? 5月後半は話題作が多いだけに、埋もれそうな作品の山なんです。なので、今回も2作品紹介します。まずは公開されたばかりの『ジョン・レノン 失われた週末』。ご存知ジョン・レノンのドキュメンタリー……ですが、ちょっと変わった視点から描かれています。 ジョン・レノンとオノ・ヨーコには、実はメイ・パンという中国系アメリカ人の個人秘書兼プロダクション・アシスタントがいました。1971年から公私のお世話をしていた、ふたりのことを最もよく知る人物です。 そんな彼女本人の証言をもとにしたドキュメンタリー。ジョンとヨーコが敢えての別居をしていた時期“失われた週末”があったのをご存知ですか? その時期、ジョンがどこで誰と何をしていたのか。そこに切り込んでいます。 これが本当にすごい! というか、やばい! メイ・パン自身が写真を趣味としていたおかげで、大量の貴重なプライベート写真が出てくるわ、“失われた週末”の裏側は出てくるわ、ヨーコから言われた突拍子もないことには度肝を抜かれるわ。もう衝撃の連続。それを、ジョンの名曲の数々やアーカイブ映像、それにアニメーションを交えながら描き出します。 特にすごかったのが、ジョンとヨーコの関係が危機的状況に陥ったときの話。それが、ジョンの名盤『心の壁、愛の橋』の製作にもつながる“失われた週末”のはじまりだったんですが、ヨーコから言われたことが強烈。「あなた、ボーイフレンドいないわよね? だったらジョンと付き合ってよ」。それ、言います?(笑) もちろんメイ・パンは「え! 彼は雇い主であなたの夫ですよ。そんなことできません!」と突っぱねるんですけど……ねぇ。 ふたりの強烈な個性の間に挟まれたメイ・パンが、どのようなプロデュース力を発揮するか、観てからのお楽しみ。エンドロールまで面白い仕掛けがされているので、ぜひ最後まで席を立たないでくださいね。