反町技術委員長が語る1年延期東京五輪・森保監督の兼任是非「現時点で何とも言えない」「築きあげてきたものは間違っていない」
例えば五輪代表を指揮した昨年11月のU-22コロンビア代表戦では、ベストメンバーを招集したと公言しながら完敗。ヨーロッパ組を一人しか招集できなかった事情はあるものの、今年1月のAFC・U-23選手権で屈辱的なグループリーグ敗退を喫すると逆風はさらに強まった。 それでも、Jリーグの舞台で指揮官として対峙した経験のある反町委員長は「(戦い方が)非常に整理整頓されている」と森保監督の印象を語る。森保監督がサンフレッチェ広島を率いていた2015シーズンに、J1へ初めて昇格した松本山雅はリーグ戦とヤマザキナビスコカップ(当時)で3度対戦。すべて黒星を、それも得点3に対して失点12という完敗で喫している。 「個人のよさも含めて、チームの力というものを最大限に引き出していた。同時に対戦相手もしっかり分析していて、監督として尊敬に値する印象をもっています。代表監督になってからは、彼も言っているように縦軸と横軸を日本人スタッフでやっていることによって、下からの突き上げが非常に多くなってきているのは間違いない。それは兼任でやっているメリットだと思う」 縦軸はMF久保建英(RCDマジョルカ)に象徴されるフル代表との行き来を、横軸は東京五輪世代を幅広く招集してきたチーム作りを指す。 そこへ日本人のコーチングスタッフを介して、コミュニケーションを密にしてきた軌跡が1997年1月1日以降に生まれた選手、という出場資格を維持したまま24歳以下で臨める東京五輪へ、そして、その先に待つフル代表の戦いへつながると反町委員長は力を込めた。 「来年の東京五輪代表がそのままフル代表になってもおかしくない、という選手が大勢いる。いままではアンダー23で終わっていたのが、アンダー24という世代になるわけですから。2つのグループとして分けるのではなく、ひとつのグループとして考えた場合には、森保監督がずっと築きあげてきたものは間違っていないと思っています」 反町委員長自身、2008年の北京五輪で男子代表を率いた経験をもつ。3戦全敗と白星をあげられずに帰国した直後には激しい批判を浴びた。アルビレックス新潟から北京五輪をはさみ、湘南ベルマーレ、松本山雅とほぼ無休で指揮を執り続けてきた、2001シーズン以降の19年間をあえて一変させる。