世界4階級制覇・田中恒成が7月20日にV1戦 「KO勝ちを意識して戦う」
◆プロボクシング ▽WBO世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・田中恒成―同級12位ジョナタン・ロドリゲス(7月20日、東京・両国国技館) 帝拳プロモーションは31日、東京・文京区の東京ドームホテルで記者会見を開き、7月20日に両国国技館でトリプル世界戦と那須川天心(帝拳)のボクシング転向第4戦の開催を発表。世界4階級制覇王者となったWBO世界スーパーフライ級王者・田中恒成(畑中)は初防衛戦で同級12位ジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)の挑戦を受ける。田中は「KO勝ちを意識して戦う。自分自身を追い込んで、前回より良いパフォーマンスを見せられるようにしたい」と意気込みを語った。 田中は今年2月、WBO世界スーパーフライ級王座決定戦でクリスチャン・バカセグア(メキシコ)から8回にダウンを奪うなどして3―0判定勝ち。ミニマム級(47・6キロ以下)、ライトフライ級(48・9キロ以下)、フライ級(50・8キロ以下)のWBO王座に続き、史上最速21戦目で井岡一翔(志成)、井上尚弥(大橋)に続く世界4階級制覇を成し遂げた。 「でも、史上最速の4階級制覇のうれしさよりも、KOできなかった悔しさが残っている。危機感、緊張感をとても持っている。今後、WBCのビッグマッチ、統一戦などが予定されており、自分に求められるのは勝ち方。前回の内容では不十分。今回は練習の量を意識して作り上げていきたい」と田中。2月のトリプル世界戦ではWBA世界バンタム級(53・5キロ以下)王者の井上拓真(大橋)、WBC世界同級王者となった中谷潤人(M・T)がKO勝ちで勝利をつかむ中、倒して勝てなかった自分に納得がいかなかったという。「ディフェンスは前回、ベルトを獲得した試合で見せることができた。今回はパンチをもらわないで、攻めることを意識してやろうと思う」と話した。 挑戦者のジョナタンは「Titan(タイタン=巨神)」の異名を持ち、21年4月には当時IBF王者だったジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に挑戦した経験がある。その時は判定負けしたが、その後は3連勝。昨年7月にはイスラエル・ゴンサレス(メキシコ)と10回引き分けており、今回は約1年ぶりの試合となる。田中は「腕力が強いという印象。フック、アッパー系には力強さに加えてスピードがある。接近戦でも常に警戒していかないと」と分析した。すでに世界戦に向けた練習は再開しており、スパーリングも行っている。 今回もトリプル世界戦と注目の那須川が出場する一大イベント。「(比較されるということは)やっぱりある。ただ、こう見せたいとか意識すると、うまく運ばないということは多い。そういう中で、いかに自分のことに集中していくか。他人に振り回されないように。ただ、世界戦だったり、天心君の試合をいい刺激、いいプレッシャーにしていきたい。王者として守るという感覚はない。見ているのはこの先なので。そこを見据えて、という感じですね」と田中。元WBC世界スーパーバンタム級王者で畑中ジムの畑中清詞会長は「前回の試合はかなりのストレスになっていると思う。望むのは、大舞台でのKO勝ち。今回は期待しています」と背中を押した。 戦績は28歳の田中が20勝(11KO)1敗、28歳のロドリゲスが25勝(17KO)2敗1分け。 試合はPrime Videoで生中継される。
報知新聞社