フェルスタッペン、SFデビューのデ・フリーズから”シミュレータ”依頼も「その時、家にいなくて……」
F1オランダGPと同じ週末、日本ではスーパーフォーミュラの第5戦がもてぎで行なわれ、ニック・デ・フリーズがITOCHU ENEX TEAM IMPULからデビューした。 デ・フリーズはテストやシミュレータによるサーキットの予習が一切できない状態で週末に臨み、予選18番手から13位でのフィニッシュを果たした。 フォーミュラEでチャンピオンに輝いた元F1ドライバーであるデ・フリーズにとっても、新しいシリーズ、新しいチーム、新しいマシン、新しいタイヤで、走ったことのないもてぎでレースをするというのは、非常にチャレンジングなものだった。 デ・フリーズのデビューに向けた準備という点で、同郷のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は面白い逸話を披露している。新しい挑戦に臨むデ・フリーズとどんな話をしたのかというmotorsport.comの質問に、彼は次のように答えている。 「とても面白かったよ。というのも、ニックが僕のシミュレータに乗ってもてぎを何周か走らせてくれないかと頼んできたんだ」 「ただ、僕は家にいなかったんだ! そうでなければもてぎの前に喜んでシミュレータをセットアップしてあげたよ」 フェルスタッペンはレース週末にもシムレースを行なうほどであり、彼の持つ設備を使って、事前にもてぎを体験しておきたいとデ・フリーズは考えたようだ。結局それは実現せず、彼はオンボード映像でしか予習できなかったという。 フェルスタッペンはデ・フリーズと仲が良く、アルファタウリからデ・フリーズがF1デビューする際にも積極的な役割を果たしたことが知られている。 フェルスタッペンは自身が好感をもっている日本で、デ・フリーズが新たな挑戦をすることに大きな関心を持って見守っているようだ。 「間違いなく興味深いね。僕自身はスーパーフォーミュラのマシンに乗ったことはないけれど、マシンを運転するのはとても楽しそうだ」 「彼にとってはかなり勉強になるだろうけど、スーパーフォーミュラで彼がどんな活躍をするのか楽しみだよ」 「ニックは僕の良き友人であり、彼はこのチャンスを得るにふさわしい。いずれにせよ、彼の成功を祈っている」 スーパーフォーミュラの次戦は10月12日と13日の富士でのダブルヘッダーとなる。スーパーフォーミュラの最終ラウンドである鈴鹿でのダブルヘッダーは、バレンシアのフォーミュラEテストデーと重なっており、デ・フリーズではなく平良響が起用される予定となっている。 次戦の富士までは少し期間が空くため、デ・フリーズがフェルスタッペンのシミュレータに乗ることも可能だろう。なにより、デ・フリーズはWECですでに何度か富士スピードウェイを走っている。さらには9月15日決勝のWEC富士6時間レースで、トヨタの一員として同コースをしっかり走り込めるため、デ・フリーズの課題はいくらか減ることになるだろう。
Ronald Vording