センバツ高校野球 夢舞台へ2校始動 作新学院と石橋 /栃木
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場する作新学院と石橋両校の選手は、決定から一夜明けた28日、約1カ月半後に控えた晴れの舞台に向け、それぞれスタートを切った。【鴨田玲奈】 ◇自主練習遅くまで 作新学院「ここから本当の勝負」 作新学院の選手たちは午前9時半ごろに集合し、まずミーティングの時間を持った。マネジャーの鈴木駿太郎さん(2年)は「ここからが本当の勝負だ。余韻に浸るのは昨日まで。自分たちの実力を過信せず、しっかり努力しよう」と呼びかけ、雰囲気を引き締めた。 約1時間のウオーミングアップとトレーニングの後、正午ごろまでキャッチボールやノックなどに取り組んだ。グラウンドに来ていた前チームの主将、桜井叶翔さん(3年)は練習の様子を見て、「正直残念」と感じたという。ノック後、部員を集め「まだ力がないチームに一人一人がなんとなく合わせてしまっている。もっと我を強く持って、自分の色を出した方が良い」と奮起をうながした。 自主練習は夜遅くまで行われた。主将の磯圭太は「まだ甲子園で戦える力はないと思った。自分たちは関東で勝てずにセンバツに行く。チャレンジャー精神を忘れずに、チーム全員で戦っていきたい」と話した。 ◇実戦的練習に励む 石橋「思いに恥じぬプレーを」 石橋は朝8時半ごろから練習を開始。午前中はバントやティーバッティング、午後は4時半ごろまでノックなど実戦的な練習に励んだ。福田博之監督は「たくさんの人からお祝いの連絡をいただいてびっくりしている」と興奮冷めやらぬ様子で語った。 2年前に主将を務めた白鷗大1年、小林到さん(19)も練習に駆けつけ、打撃のアドバイスなどをした。小林さんが主将時のチームは21世紀枠の地区候補に選ばれたものの、落選している。「自分たちが行きたかったという悔しさは少しあるが、応援で甲子園に行けることが楽しみ。主将の横松(誠也)は同じ国分寺中(下野市)で仲が良かったので、すぐに『おめでとう』と連絡した」と喜んだ。 選手たちも昨日、多くの祝福を受けた。横松は「昨夜は家族ですき焼きを食べた」と笑顔を見せつつ、「まだ実感は湧いていないが、先輩たちや支えてくれた全ての人たちの思いに恥じないプレーをしたい」と改めて決意を述べた。福田監督は「2、3月は入試や学期末試験で、部活ができない日が多い。ギアを上げて、実戦的な練習を重ねていきたい」と話した。