「神戸事件」で切腹、岡山藩士・瀧善三郎を演劇に 来年2月、舞台経費募るCF
岡山藩士と外国兵が衝突した「神戸事件」の責任を負い切腹した藩士・瀧善三郎(1837~68年)を題材にした演劇が来年2月、岡山芸術創造劇場ハレノワ(岡山市北区表町)で上演される。明治時代の日本を守った古里の偉人を知ってもらおうと企画。主催団体が舞台経費の一部をクラウドファンディング(CF)で募っている。 事件は明治維新直後の68年1月に起きた。新政府の命で神戸周辺の警備に向かっていた岡山藩の隊列をフランス兵が横切り、銃撃戦に発展。西欧列強を巻き込んだ外交問題となったが、藩の砲兵隊長だった瀧が責任者として切腹し、事態を収拾させたとされる。 演劇は瀧の子孫らと協力して顕彰活動を続ける劇団の一般社団法人・歴史新大陸が主催。代表理事で俳優の後藤勝徳さん(46)=岡山市=が瀧の功績をさらに多くの人に伝えようと企画した。 演題は「ラストサムライ 瀧善三郎のBUSHIDO」。事件前後の瀧が一人の侍として国や家族を守ろうと奮闘する姿を迫力あるアクションや笑えるシーンも随所に織り交ぜて描く。 演出兼瀧役は後藤さん、瀧の妻・はつ役はミュージカル俳優・清水ゆきさんなど0歳~60代の計約40人が出演。瀧の出身地・北区御津地区の住民ら12人もエキストラを担う。 本番に向けた稽古は毎週実施。15日は出演者の動きや表情、声のトーン、立ち位置などを細かく確認した。後藤さんは「瀧は『武士道』を世界に知らしめたラストサムライ。岡山の偉人に誇りを持つきっかけになれば」と話す。 来年2月22日午後5時、23日同2時開演。前売り券は一般4千円、中学生以下2500円で、歴史新大陸のホームページなどで販売している。有料配信も行う。 CFは山陽新聞社や中国銀行が運営するサービス「晴れ!フレ!岡山」を活用し、来年1月末まで募る。目標額は50万円で、会場費や広報費、衣装・小道具といった費用の一部に充てる。返礼は金額に応じて絵はがきやチケットなどを贈る。詳細は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/143526)。