「ガンダム」リアルに振ったシリーズで登場する「黄金のMS」はなんなのか?
黄金のボディがあらゆるビームを反射する?
意外な実力を秘めた黄金のMSが、『∀ガンダム』の時代である「正暦」にいます。「MRC-F20 スモー」です。「ディアナ親衛隊」に配備された、一般用は銀色で、親衛隊隊長の「ハリー・オード」が搭乗する機体は金色であり、後者は通称「ゴールドスモー」と呼ばれていました。 その鈍重に見えるデザインとは裏腹に運動性能が高く、高機動戦闘を得意とするMSです。資料設定が定まっておらず、「∀ガンダム」を元に開発された説、「ムーンレィス」が独自開発した説、現在の科学力では再現不可能なもので月の「マウンテンサイクル」から出土した説、などがありました。 スモー最大の特徴は「Iフィールドビーム駆動」を搭載していることです。このIフィールドは宇宙世紀の技術とは別物で、これによりスモーの装甲はダメージを受ければ受けるほど強固なものとなり、一度受けた攻撃は二度と通用しなくなるという性質がありました。 この防御システムに勝るとも劣らない黄金のMSが、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場した「ORB-01 アカツキ」です。ほかの黄金のMSと違う点は、アカツキの黄金の装甲それ自体が大きな特徴である点でした。 このビーム反射装甲「ヤタノカガミ」は、ほかの黄金のMSが耐ビームコーティングでしかないのとは違い、ビームを相手にそのまま跳ね返す鏡面装甲になっています。このビーム反射率には上限がないのか、劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』では最終兵器「レクイエム」でさえ耐えしのいで反射していました。 もっとも、あくまでも黄金に輝く鏡面装甲部分だけに効果があるため、関節部を狙った「ビームブーメラン」で腕部を切り落とされたこともあります。ちなみに装甲部分のコストだけで量産型の「MBF-M1 M1アストレイ」20機分以上といわれていました。 これらに比べると見劣りするかもしれませんが、『機動戦士ガンダム00』に登場した「GNMS-XCVII アルヴァアロン」は、もっとも黄金部分が多いMSかもしれません。なにしろ自身がコアユニットとして「アルヴァトーレ」と合体、MA(モビルアーマー)となるからです。しかしながらそれ以上の特徴はなく、ほかの黄金のMSと比べると見掛け倒し感が半端ありません。 このほかにも、『機動武闘伝Gガンダム』に登場するMF(モビルファイター)のなかには黄金に輝くことができる(ハイパーモード)機体がありますが、どれも機体性能ではなく乗り込んだガンダムファイターの「明鏡止水」状態によるものですから、ここでは割愛します。 また今回はアニメ作品だけに絞りましたが、ガンダムのマンガ作品まで目を向ければまだまだ異色の黄金のMSがいました。『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』に登場した「EZM-S01 ミダス」です。この機体にはMSを強制停止させる能力がありました。これによって動かない相手を一方的に蹂躙するわけです。 こう並べてみて思うのですが、黄金というものは強者にのみ許される色なのかもしれません。普通のMSにはないゴージャスな性能の機体ばかりです。
加々美利治