北政所「ねね」ゆかりの寺院 400年大遠忌で特別展示
ことしは豊臣秀吉の正室・北政所「ねね」の400年大遠忌です。京都市東山区にある「ねね」ゆかりの寺・高台寺の塔頭・圓徳院では特別展を開催していて、収蔵している複製品のふすまの面を、通常よりも多く公開しています。安土桃山時代を代表する絵師・長谷川等伯が描き、国の重要文化財にも指定されている「山水図襖」は圓徳院に細部まで再現された複製品が保管されていて、ふだんは4面のみを公開していますが、今回の特別展示では、32面すべてを公開しています。なかでも、船着き場が描かれていて、春の霞を表した黒いもやなどの一見素朴な風景も、一面に散りばめられた桐の花の模様によって雄大な景色が広がります。また、ねねの肖像画や、ねねと交流があったという徳川秀忠の掛け軸なども展示されているほか、枯山水の庭園には、過去、現在、未来を表す仏教世界が3つの山によって表現されています。特別展示は、12月15日まで行われています。