令和の育児、9割は「子育てがしやすくなったとは思わない」と回答。児童手当や教育費などの課題 #令和の親 #令和の子
10月26日に行われた「政府与党政策懇談会」では、児童手当の拡充開始を当初より2ヶ月前倒しして来年12月から実施することが表明されました。 【アンケート結果をみる】令和の育児、9割は「子育てがしやすくなったとは思わない」と回答 令和に入り、政府における「子育て支援」がより強化されるものになってきていますが、実際に子育てしている世帯はどのように感じているのでしょうか。 本記事では、Yahoo! ニュースが行ったアンケート調査をもとに「令和における子育ての実態」について紹介していきます。 現在政策が進められている「児童手当」や「教育費」などの課題についても紹介しているので参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
9割の人が「子育てがしやすくなったとは思わない」と回答
Yahoo! ニュース みんなの意見における「令和になって、子育てがしやすくなったと思いますか?」というアンケート調査では、9割の人が「思わない」と回答しています(【図表1】参照)。 ・思わない:90%(4万7269票) ・思う:7%(3870票) 上記の結果をみると、子育て世帯においては現在もなお「子育てのしにくさ」を実感しており、満足のいく子育て支援を受けられていない現状がみてとれます。 現代では、共働き世帯の割合は増加傾向にありますが「仕事と育児の両立を支援する制度」や「保育園の待機児童問題」の対応策が遅れていることから、仕事と育児の両立が難しいと感じる世帯が多いのでしょう。 そのほかにも、現行の児童手当には所得制限が設けられていたり、近年の物価高や新型コロナウイルス感染症の影響から経済が悪化し教育費の負担が大きくなっていたりすることも、「子育てがしにくい」と感じる要因になっているとうかがえます。
現行の児童手当の課題とは?
「児童手当」とは、児童を養育している世帯に支給される手当で、生活の安定に寄与するとともに、次代の社会をになう児童の健やかな成長に資することを目的としています。 現行の児童手当の支給対象は、中学生卒業までの子どもがいる家庭で、支給額は子どもの年齢や人数によって異なります。 現行の児童手当には「所得制限」が設けられており、所得限度額を超えている場合は児童手当が一律5000円となります。 所得制限額は「世帯収入」ではなく、「世帯のうち年収が高いほう」が判断基準となるため、共働き世帯の多い現代では、損をしている世帯や、トータルの収入が多いのにもかかわらず児童手当をもらえる世帯も出てきてしまうのです。 たとえば、3歳以上の子ども2人を養育している世帯において、夫婦二人が「共働き」をしている家庭では下記のケースが存在します。 ・ケース1:世帯主の年収が900万円で、配偶者の年収が500万円 ・ケース2:世帯主の年収が1200万円で、配偶者の年収が100万円 上記の場合、ケース1は児童手当を受け取れ、ケースの2は児童手当が制限されます。 しかしケース1のほうが世帯年収が多くなっており、「世帯のうち年収が高いほう」の所得額を基準にしていることから、合計の世帯年収は高いのにもかかわらず、児童手当ももらえるケースが出てきてしまっています。 ●新しい児童手当ではどう変わる? 冒頭でもお伝えしたように、来年の12月から児童手当の拡充が実施される予定ですが、新しい児童手当では「所得制限の撤廃」が決定しています。 2023年8月末に公表された、こども家庭庁「令和6年度予算概算要求の概要」において「児童手当の所得制限の撤廃」が明記されています。 新たな児童手当に移行後は、所得制限の撤廃以外にも、支給期間を高校生まで延長、第3子以降の支給額の増額がされることになっています。 上記の政策が実施されることで、現行の児童手当よりも、多くの家庭で子どもために使えるお金が増えると期待されています。 とはいえ、課題がなくなるわけではありません。