大谷翔平 vs ジャッジ「Wシリーズの頂上決戦」がMLB人気回復の救世主に!
さあ、頂上決戦だ。大谷翔平投手(30)が所属するドジャースは20日(日本時間21日)にメッツとのナ・リーグ優勝決定シリーズを制し、4年ぶりのワールドシリーズ進出を決めた。相手はアーロン・ジャッジ外野手(32)を擁するア・リーグ王者のヤンキース。両球団がワールドシリーズで激突するのは1981年以来、12度目ながら東西が誇る最強打者同士による極上のマッチアップは、低迷が叫ばれて久しいMLB人気回復の救世主となりそうだ。 メジャー7年目にしてついに夢舞台に立つ。この日も「1番・DH」で先発出場した大谷は4打数2安打1打点。10―5の大勝、4勝2敗でのリーグ優勝に貢献し「やっと来たな、というか。最後のシリーズで自分たちの野球を貫き通せば、最高の1年になるんじゃないかなと思います。ワールドシリーズのチャンピオントロフィーも掲げられれば最高だなと思います」と気持ちを高ぶらせた。 相手はひと足早くリーグ優勝を決めた名門のヤンキース。実に43年ぶりの頂上決戦となるが、今回はひと味もふた味も違う。大谷はMLB史上初の「50―50(50本塁打、50盗塁)」をはるかに上回る「54―59」の快挙を達成。一方のヤンキースはジャッジが58本塁打、144打点と圧倒的な成績を残した。さらに大谷とジャッジのほかにもドジャースのベッツとフリーマン、ヤンキースのスタントンとMVP受賞者が5人もそろい踏みする超豪華マッチとなる。 早くも米国内のファンだけでなくメディアも大興奮に包まれているが、米スポーツサイト「ブリーチャー・リポート」は「一生に一度のワールドシリーズ」と伝えた。ただ、スーパースターの競演だけでなく「大谷VSジャッジ」の構図でクローズアップされる今回の極上カードが、ファン離れの解消とV字回復をもたらす可能性を秘めるとしている。 同メディアは「ドジャースとヤンキースがピークを迎えた1978年には、4400万人以上が視聴した。それ以来、ワールドシリーズの視聴者数は減少の一途をたどっている。2016年以降、2000万人が視聴したことはない」と指摘。レンジャーズが4勝1敗でダイヤモンドバックスを退けた昨年は、5試合の平均視聴者数は史上最低の「911万人」だった。 低迷する最大の要因には「娯楽の多様化」が挙げられるが、試合時間の短縮も年々進んで変化も表れている。地区シリーズまでのポストシーズンで平均視聴者数は「333万人」で昨年から18%増。もちろん、歴史的快進撃を見せる大谷とジャッジへの注目も大きな後押しとなっている。 その両雄が世界一の座をかけてガチンコ対決となれば、さらに白熱することは必至だ。同メディアも「これだけのスター選手が1つのワールドシリーズに集結することは特別。リビングヒストリーのようなものだ。何かすごいことが起きる可能性がある」「ドジャースVSヤンキース。これ以上、何を望むのか」と締めた。 ヤンキースの相手が同じニューヨークに本拠地を置くメッツではなく、東海岸最大の市場を誇るロサンゼルスのドジャースとなったことも追い風を吹かせそうだ。米球界関係者は「仮にメッツが勝ち上がっていればニューヨークだけが盛り上がり、東側の関心が失われ、東西で分断されてしまう。ドジャースが進出したことで、日本を巻き込んで史上空前のワールドシリーズになるだろう」と期待を寄せた。 日本ではワールドシリーズ全試合を「BS NHK」に加え、この日「フジテレビ」も地上波で生中継することを緊急発表した。11日(同12日)に大谷と山本、ダルビッシュ(パドレス)が対決した地区シリーズ第5戦を放送した米「FOXスポーツ」の平均視聴者数は17年以来最多の「724万人」、日本では驚異の「1290万人」が見守った。 野球の再興へ、大谷が〝MLBのキリスト〟と化しそうだ。
東スポWEB