阪神の開幕対戦カード、ヤクルト“007”が新外国人ボーアを要警戒!「バースに似たシルエットで脅威」
山口スコアラーがほのめかしたように、コントロール、変化球の技術では、リーグ屈指の40歳のベテラン左腕、石川をぶつけられれば、ボーアが頭を悩ますケースは十分に考えられる。また阪神OBの間では「インサイドを攻められた場合はどうか」と疑問を抱く声もある。 昨季の打率は1割台。途中3Aに落ちた。コンディション不良が理由とされているが、不安点ではある。 バッティング練習ではバッティング投手には「外へ」のジェスチャーで外角のボールを要求していた。それを気持ちよく逆方向に打ち返していたが、その行為の理由は「インサイドが不得意な証ではないか」と危惧する声もある。逆方向への打球が多く、広角に打てることがボーアの”売り”であり、日本野球に適応できるのではないかという根拠のひとつでもある。だが、「内角攻めから対角線上の変化球勝負」という対外国人用の基本的配球への対応は課題になってくるだろう。 山口スコアラーは、こんな予測を立てる。 「阪神は外国人が8人もいるので、どんな振り分けにするのか、情報を集めていきますが、一発が欲しいチームだけに、いずれにしろボーアだけは外せないと見ています。投手力はいいチームなので打線がよくなれば阪神は怖いチームですよ」 昨季のチーム本塁打数は、6球団中5位の94本。優勝した巨人の183本に比べて約半分の数字だった。チーム最大の課題をボーアが一人でどこまで解消してくれるのだろうか。 一方、韓国で昨季、打率.305、28本塁打、113打点の成績を残し打点王に輝いたサンズに関しては、山口スコアラーは、「アベレージタイプでしょう。1日目、2日目は逆方向の打球を意識していたが、今日は引っ張って力強い打球を打てていた。外国人だけはシーズンに入って変わりますからね」と言葉を濁した。 シートノックでは、「ライトを多く守ってきたが、どこでも大丈夫だ」と、ライトのポジションに入った。 糸井、近本、福留の外野布陣と、昨季、打率.284を残した2年目、マルテとの外国人枠争いを考えると、オープン戦を通じ、よほどのアピールをしなければ、登録メンバーに入ることは難しいのかもしれない。 山口スコアラーには、「あくまでも3日間見ただけの感想ですよ。本当に外国人だけは蓋を開けるまでわかりませんから」と釘を刺された。 この時期にメディアが「柵越え何発」と散々煽っておいてシーズンに入って期待を裏切られ「やっぱりダメだった」と掌を返すことになるケースは少なくない。そういう”マッチポンプ”は、時として「あなたたちマスコミは」と度々、ファンや関係者にも批判される。確かにキャンプのたった3日間を見ただけで成否を断定するのは、”人生占い”みたいなものである。ただ夢を売るのがプロ野球。キャンプ中くらいは、阪神フロントの調査能力を信用して虎党に酒のつまみを提供しても悪くはない。