阪神の開幕対戦カード、ヤクルト“007”が新外国人ボーアを要警戒!「バースに似たシルエットで脅威」
ヤクルト”007”がボーアを脅威に感じるのはパワーだけではない。 そのボーアのタイミングの取り方だ。ゆったりとしたテイクバックで、少しヒッチするが、そこにバッティングに最も必要とされる”間”が存在している。スタンスも狭く柔軟。バッティング練習を逆方向から打ちはじめて左中間へ快音を残す。メジャー時代のデータも逆方向への本塁打、ヒットの割合が40%台と多く、パワーにプラスして広角に打てることを示している。 山口スコアラーは、「バースのタイミングの取り方に似ている。バースはもう少しヒッチしていたが、スクエアに構え、狭いスタンスから、ゆったりとヒッチしてタイミングを合わせる部分が似ているんです。でかいのを打ちそうな雰囲気がある」という。 今なお、語られる3冠王、2度獲得の伝説のスラッガー、ランディ・バースに、そのシルエットが重なるというのだ。 日本で成功する外国人の条件は、制球力とボールの使い方にすぐれた”揺さぶり”に対応できるか、どうかの適応力である。それには、ボールを見極める選球眼、フォームを崩されないタイミングの取り方、”間”が大きなポイントになってくる。バースも来日3年目に大ブレイクしたが、そのタイミングの取り方も徐々に変化してきた。 同時に日本の配球文化に理解を深め「四球」を拾い「我慢」「歩くこと」をチーム貢献のひとつとして割り切れたことが成功につながっている。ボーアのメジャー時代の通算四球率は、11.2%で、メジャーの平均四球率を上回っている。その点も期待できる。 ただ、山口スコアラーは、気になる弱点もチェックもした。 「メジャーでのデータもそうですが、左投手を苦にしていますね。少しオープン気味になり、ちょっと苦手なんだなという感じが見えます。うちには、石川や高橋ら左にいいピッチャーがいるので、そのあたりをぶつけるしかないのかなとも思いますね」 右投手に関しては、スクエアなスタンスから小さく足を上げて踏み込んでもぶれることなく、いわゆる打撃の”壁”ができていたが、左投手に関しては、無意識からか、少し開き気味になり、タイミングの取り方も窮屈。メジャーで対左腕の通算打率は.2175と低く、通算本塁打数は、92本中8本。長打率も対右腕では、.489あるが、対左腕では、.326とガタっと落ち、スタメンから外されることも多かった。阪神で不動の4番となるには対左対策がひとつの課題となるだろう。