今週末に行きたい展覧会ベスト13。本阿弥光悦から坂本龍一トリビュート展、アートフェア東京 2024まで
天才の内面世界。特別展「本阿弥光悦の大宇宙」(東京国立博物館) 誰しも一度は名前を聞いたことがあるであろう芸術家・本阿弥光悦(ほんあみ・こうえつ、1558~1637)。その内面世界にせまる特別展「本阿弥光悦の大宇宙」が東京・上野の東京国立博物館で3月10日に閉幕する。レポートは こちら。 本阿弥光悦は、書家、陶芸家、芸術家など多方面で足跡を残した「異風者(いふうもの)」(『本阿弥行状記』)。書の世界では近衛信尹、松花堂昭乗とともに寛永の三筆のひとりと称され、「光悦流」の祖と仰がれる。本展では、光悦による書や作陶に表れたその内面世界を紹介するとともに、 光悦と工匠たちが篤く信仰した当代の法華衆の社会についても注目。 造形の世界の最新研究と信仰の在り様とを照らしあわせることで、総合的に光悦を紹介するものとなっている。 会期:2024年1月16日~3月10日 ※会期中展示替えあり 会場:東京国立博物館 平成館 住所:東京都台東区上野公園13-9 電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル) 開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで 休館日:月 料金:一般 2100円 / 大学生 1300円 / 高校生 900円 坂本龍一を未来につなげる。「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]) 東京・初台にあるNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で、「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」が3月10日に閉幕する。レポートは こちら。インタビューはこちら。 本展のキュレーターは畠中実(ICC)とライゾマティクスの真鍋大度。展示は大きく分けて、坂本の残された演奏データを使って再構築した作品群と、縁の深いアーティストたちによる作品群の2つによって構成されている。坂本の功績の一端を振り返るとともに、その残されたデータを活用する可能性にも挑んだ展覧会だ。 会期:2023年12月16日~2024年3月10日 会場:NTT インターコミュニケーション・センター [ICC] 住所:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階 開館時間:11:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで 休館日:月、年末年始(12月28日~1月4日)、ビル保守点検日(2月11日) 料金:一般 800円 / 大学生 600円 / 65歳以上・高校生以下無料 近代建築の巨匠。「帝国ホテル2代目日本館100周年 フランク・ロイド・ライト展 世界を結ぶ建築」(パナソニック汐留美術館) 20世紀を代表する建築家のひとり、フランク・ロイド・ライト(1867~1959)。その回顧展「帝国ホテル二代目本館100周年 フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」が、東京・汐留の パナソニック汐留美術館で3月10日まで開催中だ。レポートはこちら。 ライトは帝国ホテル二代目本館をはじめ、日本との関係が深いことでも知られており、熱心な浮世絵のディーラー/コレクター。本展はライトと日本との関わりを起点に、コロンビア大学エイヴリー建築美術図書館が所蔵する貴重な図面などとともに、その生涯の仕事の全貌に迫るものとなっている。なお同展は会期途中より日時指定予約となっており、当日は空きがあれば入場可となる。 会期:2024年1月11日~3月10日 会場:パナソニック汐留美術館 住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル 4階 電話番号:050-5541-8600 開館時間:10:00~18:00(2月2日、3月1日、8日、9日は~20:00) ※入館は閉館の30分前まで 休館日:水(3月6日は開館) 料金:一般:1200円 / 大学・高校生 700円 / 中学生以下:無料 初の大規模回顧展。「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」(東京都現代美術館) 現代美術家・豊嶋康子(1967~)の美術館における初の大規模個展「発生法──天地左右の裏表」が、3月10日に閉幕する。レポートはこちらから。 豊嶋康子は1990年に活動を開始して以来、30年以上にわたって様々な制度や価値観、約束事と対峙する作品をつくり続けてきた。本展は豊嶋がこれまで制作してきた作品を可能な限り集め、500点あまりが一堂に集結する大規模個展だ。多様な作品を通して、現代社会における様々な制度への問いかけがなされている。 会期:2023年12月9日~2024年3月10日 会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F 住所:東京都江東区三好4-1-1 電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル) 開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで 休館日:月 料金:一般 1400円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 1000円 / 中高生 600円 / 小学生以下無料 パイオニアの仕事を回顧。「小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ」(京都国立近代美術館) ファイバーアートの日本におけるパイオニアである小林正和(1944~2004)。その初回顧展「開館60周年記念 小林正和とその時代―ファイバーアート、その向こうへ」が、京都国立近代美術館で3月10日まで開催されている。レポートはこちら。 本展はおおよその時系列で構成されており、小林の代表作だけでなく、ファイバーアートの他の作家たちの作品も並ぶ。80~90年代に活発に展覧会が行われながら、2000年代以降は現代美術の潮流のなかで急激に減少したこのジャンルの展覧会。本展は、小林の作品を中心にその動向を再確認するとともに、今後のファイバーアートの展開について、改めて考える機会となっている。 会期:2024年1月6日~3月10日 会場:京都国立近代美術館 住所:京都市左京区岡崎円勝寺町26-1 電話番号:075-761-4111 開館時間:10:00~18:00(金~20:00) ※入館は閉館の30分前まで 休館日:月 料金:一般 1200円 / 大学生 500円 / 高校生以下無料 「種」とは何か。渡辺志桜里個展「BLUE」(SACS) 現代美術家・渡辺志桜里の個展「BLUE」が東京・渋谷にある展示スペースSACSで3月10日閉幕する。 皇居の周辺で育ち、これまで独自の生態系やジェンダー的視点による天皇制など、リサーチに基づいた作品を制作してきた渡辺。本展で展示される《BLUE》は、1960年に日本に持ち込まれた特定外来魚・ブルーギルをモチーフに、人間の多様性の成立過程について考察するものだ。 会期:2024年2月23日~3月10日 会場:SACS 住所:東京都渋谷区桜丘町16-12 桜丘フロントビル1階 開館時間:12:00~20:00 休館日:月 料金:無料 新作公開。イム・ミヌク「Hyper Yellow」(駒込倉庫) 公益財団法⼈⼤林財団が2017年から隔年で⾏ってきた助成事業《都市のヴィジョン》第4回の助成対象者イム・ミヌク。その展⽰「Hyper Yellow」が3月12日で閉幕する。 本展は、イムの2年間にわたる⽇本でのリサーチとクリエーションの成果として、ドローイングとオブジェ、映像インスタレーションを含むおよそ20点の新作で構成されている。 会期:2024年3⽉1⽇~3⽉12⽇ 会場:駒込倉庫 住所:東京都豊島区駒込2-14-2 開館時間:12:00~20:00 休館日:会期中無休 料金:無料 156軒が参加。「アートフェア東京 2024」(東京国際フォーラム) 日本最大級のアートフェアである「アートフェア東京」が3月7日に開幕した。会期は3月10日まで。レポートはこちらから。 18回目を迎える今回は、昨年より12軒多い、国内外36都市から156軒のギャラリーが参加。そのうち現代美術ギャラリーは半数以上の83軒となっており、近代美術(31軒)、古美術(20軒)、工芸(13軒)、工房(3軒)、オルタナティブ(2軒)、百貨店(2軒)、ジュエリー(2軒)といった幅広いジャンルのギャラリーが出展する。 また今年はゲストキュレーターを迎え、テーマに沿った展示を行う「The Project」をロビーギャラリーにて新たに開催。初回はロンドン拠点のキュレーターおよびライターであるタラ・ロンディを招聘し、2019年のターナー賞を受賞したタイ・シャニをはじめとする8人のアーティストによるグループ展「YUGEN」も見どころだ。 会期:2023年3月8日~10日 ※7日は招待制 会場:東京国際フォーラム ホールE/ロビーギャラリー 住所:東京都千代田区丸の内3-5-1 開館時間:11:00~19:00(10日~17:00) 料金:当日チケット 5000円 / 予約チケット 4000円 高架下で楽しむアート。「HIBIYA OKUROJI ART FAIR 2024」(日比谷OKUROJI) アートフェア東京にあわせ、徒歩圏内にある内幸町の高架下の施設「日比谷OKUROJI」でもアートフェア「HIBIYA OKUROJI ART FAIR 2024」が始まった。会期は3月10日まで。 「日比谷OKUROJI」は、有楽町駅と新橋駅のあいだの山手線や東海道新幹線などが通る鉄道高架橋の下を利用した300メートルにわたる施設。今年はギャラリーズセクションに FINCH ARTS、HARMAS GALLERY、KANA KAWANISHI GALLERY、POETIC SCAPE、SONO AIDA、TAV GALLERY、The Third Gallery Aya、WATOWA GALLERYが出展。またギャラリースペースを持たない独立したてのギャラリストや、既存ギャラリーのスタッフが自らの名でディレクションを行う「エマージング」セクションには、MERROW、TATSURO KISHIMOTO、Token Art Center、TRI-FOLD OSAKAが参加している。 会期:2024年3月7日~10日 ※7日17:00~20:00はオープニングレセプション 会場:日比谷OKUROJI(G-13, G-14, G-15, H5など) 住所:東京都千代田区内幸町1-7-1 開館時間:12:00~20:00(10日~18:00) 料金:500円 重要文化財でアートフェア。「Art Kudan」(kudan house) 展覧会とアートフェアの2部によって構成される新たなアートイベント「CURATION⇄FAIR Tokyo」。そのアートフェアパートとなる「Art Kudan」が3月9日~11日の会期で開催される。 「CURATION⇄FAIR Tokyo」は、東京・九段の一般非公開の登録有形文化財「kudan house」を舞台としたもので、遠藤水城がキュレーションする展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る(The beautiful, the ambiguous, and itself)」が3月3日に閉幕した。3月9日からは、同会場でアートフェアが開催される。 フェアの参加ギャラリーは、ANOMALY、ギャラリー広田美術、タカ・イシイギャラリー、小山登美夫ギャラリー、MA2 Gallery、MAKI Gallery 、MISAKO & ROSEN、銀座 古美術宮下、中長小西、Satoko Oe Contemporary、大塚美術、しぶや黒田陶苑、瞬生画廊、東京画廊+BTAP 、浦上蒼穹堂。古美術から現代美術まで、幅広いギャラリーが揃う。 会期:3月9日~11日 ※3月8日はプレス・関係者向けのプレビュー 会場:kudan house 住所:東京都千代田区九段北1-15-9 開館時間:11:00~19:00 ※入場は閉館の30分前まで 料金:一般 前売2500円(当日3000円)、学生 前売1500円(当日1800円) 国内美術館で初。「カール・アンドレ 彫刻と詩、その間」(DIC 川村記念美術館) 千葉・佐倉のDIC川村記念美術館で、1960年代後半のアメリカを中心に興隆したミニマル・アート の代表的な彫刻家カール・アンドレの国内美術館初個展「カール・アンドレ 彫刻と詩、その間」がスタートする。本展は韓国・大邱美術館「2023 Umi Hall Project Carl Andre」(2023年9月26日~12月31日)の国際巡回展。 本展では、同一の形と大きさに加工した木、金属、石のユニットを床に直接置き、規則的に広がるアンドレの典型的な彫刻作品を大きな空間で展開。作品はその上を歩くことも可能で、能動的な鑑賞体験は「場としての彫刻」というアンドレの言葉の意味する、作品と空間、そしてそれを知覚する自分の存在を感じられるだろう。また、知る人ぞ知るアンドレの詩もまとまったかたちで紹介される。 会期:2024年3月9日~6月30日 会場:DIC川村記念美術館 住所:千葉県佐倉市坂戸631 電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル) 開館時間:9:30~17:00 ※入館は16:30まで 休館日:月(ただし4月29日、5月6日は開館)、4月30日、5月7日 料金:一般 1800円 / 学生・65歳以上 1600円 / 高校生以下無料 日本初個展。イヴ・ネッツハマー「ささめく葉は空気の言問い」(宇都宮美術館) スイス現代美術を代表する映像インスタレーション作家、イヴ・ネッツハマー(1970~)。その日本初個展が栃木・宇都宮の宇都宮美術館で3月10日に開幕する。 ネッツハマーは1970年、スイス・シャフハウゼン生まれ。建築製図やデザインを学んだのち1997年より作家活動を開始。ピピロッティ・リスト(1962~)の次の世代を担う映像インスタレーション作家として注目を集め、2007年のヴェネツィア・ビエンナーレではスイス館代表となった。今回、ネッツハマーは宇都宮の大谷採石場跡や、近隣の足尾銅山跡の地下空間を訪れ触発された新作を制作・発表する。 会期:2024年3月10日~5月12日 会場:宇都宮美術館 住所: 栃木県宇都宮市長岡町1077 電話番号:028-643-0100 開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで 休館日:月(4月29日、5月6日は開館)、4月30日、5月7日 料金:一般 1000円 / 大学・高校生 800円 / 中学生・小学生 600円 関西では17年ぶり。「没後50年 福田平八郎」(大阪中之島美術館) 大阪中之島美術館で 「没後50年 福田平八郎」が3月10日に開幕する。 大分市に生まれた福田平八郎(1892~1974)は、18歳のときに京都へ出て絵を学んだ。自然を隅から隅まで観察した写実的な作品で評価を得たのち、昭和7年(1932)に《漣》(重要文化財、大阪中之島美術館蔵)を発表し、その大胆な挑戦で人々を驚倒させた。その後も《竹》(京都国立近代美術館蔵)や《雨》(東京国立近代美術館蔵)など、色やかたち、視点や構成に趣向を凝らした作品を制作し、「写実にもとづく装飾画」という新しい時代の芸術を確立した。 大阪の美術館では初、関西でも17年ぶりの回顧展となる本展は、代表作や所蔵館以外では初公開となる《雲》(大分県立美術館蔵)など、初期から晩年までの優品約120件が展覧される。 会期:[前期]2024年3月9日~4月7日、[後期]2024年4月9日~5月6日 会場:大阪中之島美術館 4階展示室 住所:大阪府大阪市北区中之島 4-3-1 電話番号:06-4301-7285 開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで 休館日:月(ただし、4月1日、4月15日、4月22日、4月29日、5月6日は開館) 料金:一般 1800円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下 無料