<挑む・’23センバツ>仙台育英・東北・能代松陽 戦力分析/下 能代松陽 堅い守備からリズム /宮城
◇打線も甲子園経験者けん引 春のセンバツ初出場を果たしたチームは、合言葉に「全員野球」を掲げる。昨年の秋季東北地区大会では私立強豪がひしめく中、県立校として唯一4強入りした。堅い守備が強みで、工藤明監督は「守り抜いて勝ち進んだ」と振り返る。主将の大高有生(2年)も「守備からリズムを作る」とチームの強みに自信を見せる。 昨夏の甲子園でベンチ入りした7人が残り、エース右腕・森岡大智(同)を軸にまとまる。森岡は184センチの長身から放つ144キロの直球とキレのあるカットボールを中心に、効果的に得意のスライダーを織り交ぜる。昨秋は56回3分の2を投げ、53奪三振、防御率は1・59。冷静で浮き沈みのない投球でチームをけん引する。 右腕・斎藤舜介(同)も制球の良さが光る。得意球の速いカーブを武器に、昨秋の準決勝で完投し、相手校の監督からも「打てそうで打てない賢い投球」と評価された。 捕手の柴田大翔(同)は扇の要として安定感がある。内野手の保坂大悟(同)、大高は守備範囲が広く、淡路建司(同)は「塁間3・9秒を切ったこともある」(工藤監督)というチーム一の俊足を生かした守備が光る。 打線も甲子園経験者が引っ張る。1年の春から公式戦に出場し、監督の信頼も厚いリードオフマンの大高は出塁率が高く長打力もある。期待に応える打撃で、昨秋は8試合9打点を上げた。続く淡路は俊足を生かすため、右打ちから左打ちに変更した。 クリーンアップを任される布陣も頼りになる。3番・虻川颯汰(同)は勝負強さと速い打球が持ち味。4番・斎藤と5番・佐々木駿介(1年)は長打力でけん引する。下位打線にも長打が狙える柴田や、打率4割超の森岡が控える。 積雪のため冬場は練習場所が制限されてきた。チームは14日まで沖縄県に遠征し、他県の学校との練習試合などで実戦感覚を取り戻すという。それぞれの持ち味を生かして甲子園に臨む。【猪森万里夏】