メルセデスF1のラッセル、新車W15のリヤエンド改善を実感「今年のマシンはアタックができる!!」
メルセデスのジョージ・ラッセルはバーレーンテストで新車W15を走らせると、これまでと比較して中高速コーナーで攻め込むことができるようになったと評価した。 F1メカ解説|新車の秘密をクローズアップ! F1バーレーンプレシーズンテスト:ピットレーン直送便 2月21日から始まった3日間のF1プレシーズンテストで、ラッセルはまず初日の午前と午後のセッション療法で走行を担当。攻めたタイムこそ出さなかったが、新車W15では昨年のマシンが抱えていた問題が明らかに改善されていると感じていた。 ラッセル、そしてチームメイトのルイス・ハミルトンは昨年、W14のリヤの挙動に自信を持つことができずにいたが、W15ではそれが大きく改善されたという。 「昨年のマシンは走らせるのが本当に難しかったんだ」とラッセルは言う。 「ルイスも僕も自信を持てていなかったし、どのコーナーでも噛みつかれているようだった」 「(W15では)中低速コーナーでリヤを振ってしまうことなくアタックすることができる。そしてマシンの安定性という面で僕らは本当に良いステップを踏み出したと感じられているんだ。これまでよりもずっと頼りにできるよ」 「これは昨年を通じてとても大きな焦点になっていたことだった。W14にはたくさんの欠点があったけど、チームはそれを修正するために素晴らしい仕事をしてくれた」 「そして今では、空力担当がダウンフォースを積み上げることにだけ集中することが可能な、メカとしてのクルマを手に入れられた。以前は空力的に何かをしても、このマシンには根本的な問題が残っていたんだ」 ラッセルはW15でまだ足りていないモノについて訊かれると、ダウンフォースだと答えた。 「もっとダウンフォースがいる。マシンの感覚が良くてもペースが上がっていないなら、それは単に適切なところでダウンフォースを見つける必要があるということだ」 「このレギュレーションが続く中で、どのチームにも間違いなくスイートスポットが存在する。マシンをできる限り低くしたいけど、同時に底付きやバウンシングの原因にならないように低くしすぎることはできない。それが一部のチームの背景にある」 「そして、そういったスイートスポットを見つけてパフォーマンスを発揮するのには、それほど時間はかからない。レッドブルはすでに見つけているようだけど、僕らもその差を縮められればいいね。ただ、そのためにはハードワークが必要になるだろう」 そしてマシンの感触が良くとも、メルセデスが相対しているライバルの強さを読み間違えるようなこともないとラッセルは語った。 「クルマが改善されているかどうか、走らせやすい感じかどうかは最初から間違いなく分かる」 「そこに疑いの余地はない。でもドライブする上では最悪のマシンになる可能性があっても、それが他の誰よりも速ければ、満足するだろう」 「そして昨日(テスト初日)の走行は間違いなく楽しいものだったし、マシンのフィーリングも良かった。だけど他のチームもみんな良い一歩を踏み出していることも分かっている」 「今の段階で話すのは明らかに時期尚早だ。それに昨年成功したレッドブルが先行していて、巨大な“山”が待っている。僕らは追いつくためにそれを登らなきゃいけないんだ」 「様子を見る必要がある。だけど僕らは間違いなくより良いプラットフォームを築いている。ここ2年間の気難しい”歌姫”とは違うよ」 巨大な山と表現されたレッドブルは、初日にマックス・フェルスタッペンがRB20のステアリングを握り、2番手に1.1秒の差を付けて最速となった。ライバルの初日について訊かれたラッセルは、次のように語った。 「おそらくレッドブルは期待されているとおり、今から素晴らしい勢いがある。彼らは今のレギュレーションのもとトップでスタートし、ここに来てもずっと順調だ」 「彼らは間違いなく優勝候補だ。バーレーンでは他の誰より先行している。とても印象的な冬を過ごして来ただろうということに疑いはない。でもそれは予期されていたことだ。とても印象的だけど、僕らはこれからのレースで自分たちの立ち位置を確かめる必要があるね」
Adam Cooper