災害時、位置情報提供の要件緩和 不明者名簿活用、自治体も対象
総務省は22日までに、大規模災害時に安否不明者を迅速に救助するため、消防などの機関が不明者の名簿を活用し、救助の対象者を絞り込んだ上で、携帯電話会社から位置情報を取得できるようにする方針を決めた。従来の警察や消防だけでなく、自治体の災害対策本部も位置情報の提供先に加えるなど要件を緩和する。1月の能登半島地震で不明者の捜索が課題となり、検討を進めていた。 携帯の電源が入っていない場合には、過去の位置情報も提供できるようにする。救助対象者の電話番号を特定する必要はなく、氏名や住所に基づき提供を要請できる。 能登半島地震では、消防庁が石川県の安否不明者名簿に基づき、氏名や住所から電話番号を検索した上で、位置情報を提供するよう携帯事業者に要請した。番号を検索した上での提供要請は初めてで、68件の位置情報提供につながった。 この対応を受け、総務省などが位置情報提供の拡大へ向けた議論を重ねてきた。検討の結果、自治体の不明者リストから救助機関が救助対象者を絞り込んだ名簿であれば、活用できるとした。