“時計”で睡眠の質は上がるのか 寝つきに悩む夜型人間が「劇的な改善」に至るまで
筆者は夜型だ。眠りにつく時間は大体夜の2時~3時、ひどいときは朝の4時ごろまで起きている。起きる時間は仕事がある日は9時、なければ12時だ。なぜ早寝早起きができないのか、原因は寝つきがとても悪いことにある。 【写真】睡眠の質を良くするアクションを実行した数値の変化 いままで寝つくためにいろんなことを試した。YouTubeで睡眠導入BGMを聞いたり、度数の高いお酒をストレートで飲みまくったり、睡眠改善薬も飲んだことがある。そのなかでも筆者が1番早く寝ることができた方法は「まったく興味のない本や解説動画を流す」ことだったのだが、興味のないものに時間を奪われることが耐えきれず、結局この方法もあまり実践していない。 今回はそんな筆者が、GARMIN「Venu 3」シリーズの力を借りて、改めて自身の睡眠に向き合ってみた。 ・「睡眠スコア」で自分の睡眠を可視化しよう 今回GARMIN「Venu 3」シリーズを使用する期間は2週間。前半の1週間はいつも通りに過ごし、自分の睡眠の質が現状どうなっているのかを把握する。後半の1週間は、超回復コーチ・角谷リョウ氏による睡眠改善体験会で学んだアクションを実践し、睡眠の質がどう変化したかを計測するというものだ。 筆者が使用するのは、GARMINのなかでもヘルス&ウェルネスに特化した「Venu 3」シリーズ。「Venu 3」シリーズはレギュラーサイズの『Venu 3』が2種類、コンパクトサイズの『Venu 3S』が5種類展開している。今回は、レギュラーサイズの『Venu 3』Whitestone/Silverを装着した。 コンパクトサイズに比べて盤面が少し大きく、見やすいのが特徴だ。30種類以上のスポーツアプリが内蔵されている「Venu 3」シリーズだが、そのなかでも今回は「睡眠スコア」「睡眠コーチ」「Body Battery」の3つの機能に注目していく。まずは「睡眠スコア」を使って、現状の睡眠の質がどうなっているのか見ていこう。 「睡眠スコア」は100点満点で睡眠の質を数値化してくれる。さらに何時間寝ていたのか、回復効果のある睡眠がとれていたのか、深い眠り、浅い眠り、レム睡眠、覚醒時間はどのくらいだったのかを計測してくれる。長時間寝ていても、浅い眠りや覚醒時間が長いと“質のいい睡眠”とは言えないのだ。この日の睡眠スコアは52。あまり良質な睡眠ではなかったようだ。角谷氏いわく目指すべき睡眠スコアの数値は、最低60以上、理想は80以上となる。 このように全体的な睡眠の質だけではなく、浅い眠りや深い眠りがどのくらいだったのか内訳も見ることができる。 この日は4時44分から9時42分まで眠っていたのだが、7時を過ぎたあたりからだんだんレム睡眠と浅い眠りの時間が増えてきて、起きる時間に近づくにつれ覚醒時間が増えているのがわかる。とくに注目するべきは深い睡眠の時間だ。角谷氏によると、深い睡眠の時間が最低30分、理想は1時間30分以上が目標となる。 時計の画面でも確認できるが、ガーミンのスマートウォッチは「Garmin Connect」アプリと連携しており、過去のデータをカレンダーから遡ることもできる。無料でアプリを活用できるのは便利だ。 ちなみに、カレンダーの右下に記載されている+7といった数値は、その日に計測された項目の数である。今回は睡眠を中心に紹介していくが、それ以外にも心拍やストレスレベル、歩数なども記録されるので、睡眠の改善含め毎日のヘルスケアに役立てることができる。 次に注目したいのは「Body Battery」だ。Body Batteryとは1日のエネルギー量を数値化したものになる。こちらは同日の朝の数値になるのだが、この日は48しか回復していない。Body Batteryは朝の時点で80、寝る前は20くらいになるのが理想的だ。 Body Batteryでは、ゲームでいうHPのような感覚で自身のエネルギー量を知ることができるのがおもしろいところだ。また、可視化することによってこれから1日どう動いていくべきかも考えやすい。 ・眠りの質を良くするアクションを実行 後半の1週間では、睡眠の質を高める行動を生活に取り入れながら睡眠スコアを計測していく。今回はスリープコーチ・角谷リョウ氏に、睡眠の質を良くするアクションについて教えてもらった。 睡眠改善には5つのアプローチがあるのだが、今回はそのなかでも「目覚め」と「睡眠圧の増加」のアプローチを実施することにした。 まずは目覚めから。アクションはそれぞれ10個ずつあり、このなかから実施するアクションをさらに3つに絞る。筆者がチョイスしたのは、「空気の入れ替え」「筋トレ」「白湯を飲む」の3つだ。 実際に行動してみると、「空気の入れ替え」「白湯を飲む」というアクションはそこまでハードルも高くなく、手軽に行動に移すことができた。 「筋トレ」はいままで夜に行っていたのだが、そのまま朝に移行することに。逆に夜はストレッチのみ行うことにした。寝起きで固まっている体のままいきなりトレーニングをするのはしんどかったので、朝は軽くストレッチをしてから筋トレをすることに。この朝の筋トレは予想以上に体を目覚めさせた。いままで朝の準備は頭が半分寝ているような状態でノロノロと行っていたのだが、3つのアクションを行うことによって、日中の動きくらいスムーズに体が動くようになった。 睡眠圧の増加に関するアクションはこちら。筆者は、「夕方以降うたた寝しない」「夕方以降カフェイン飲まない」「得意ジャンルではない本や情報に触れる」の3つをチョイスした。 「夕方以降うたた寝しない」は仕事がある日は問題ないのだが、休みの日は意外と難しい。昼食や間食が多いと夕方かなり眠くなってしまうので、自然と昼に食べる食事を少しだけ抑えるようになった。「夕方以降カフェイン飲まない」は、意識をすればとくに問題なく実行できた。 「得意ジャンルではない本や情報に触れる」は動画で実践しようとしたが、ついつい好きなチャンネルなどに手を伸ばしてしまい失敗。そこからは書籍に切り替えて実施した。興味のない情報に触れるのは苦痛だが、興味はあるけど得意ではないジャンルなら手に取るハードルも低く実施しやすい。 ちなみに筆者は、現代史や年金制度に関する書籍をチョイスした。適度に興味や必要性があり、得意ではない領域だ。このアクションで寝つきも驚くほどよくなり、いままで眠れずに無駄に布団のなかで過ごしていた時間をなくすことができた。 ・2週間の結果はいかに? 眠りに関する6つのアクションを1週間続けた結果がこちら。 寝起きのBody Batteryは48→69、睡眠スコアは52→87という結果となった。また覚醒時間も明らかに変化し、以前より良質な眠りが取れていることがわかる。睡眠時間自体が長く取れていることもそうだが、その内訳も可視化することができるので、質の変化も実感することができる。 最後に紹介するのは「睡眠コーチ」という機能だ。「睡眠スコア」や「Body Battery」で自身の睡眠を分析したあとは「睡眠コーチ」で振り返りができる。今日はどのくらい寝たらいいのか、もしくはどのくらい寝過ぎてしまったのかなどを教えてくれ、お昼寝なども含めてアドバイスをくれる。 今回の体験を経て、目に見えない体の変化を数値化する重要性を実感した。まだ動けると思っていても体は意外と疲れていたり、逆に疲れていると思っていても意外とBody Batteryはそこまで減っていなかったりなど、数字でハッキリと表示されることで体感とのギャップを知ることができた。 良質な睡眠は、前日の疲れやストレスを消化するのはもちろん、翌日の日中のパフォーマンスが向上するというメリットもある。日々仕事をこなす社会人にとって、日中どれだけ集中できるかはかなり重要だ。そんな指標を時計で知ることができるのは手軽だし、基本的につけっぱなしにしているだけなのでこれといった手間もない。 さらに6月は1年のなかでも1番日照時間が少なく、湿度や気温が上昇するため不調になりやすい。そんなときに『Venu 3』シリーズを活用し、自身の睡眠の質について向き合うのはいい機会ではないだろうか。
はるまきもえ