今季の県産サクランボ、苦境続く 生育早く、収穫追い付かず
寒河江市の道の駅寒河江チェリーランドでは22日、オープン30分前の午前8時半時点で県外ナンバーの車がずらり。入り口に約50人の行列ができていた。開店すると来場者が産直コーナーへ殺到。一斉に陳列棚へ手を伸ばし、「紅秀峰」などを必死に確保した。開店時に用意された約60箱と約100パック(1パック200グラム詰め)は5分ほどで完売した。千葉市の派遣社員新関珠季さん(41)は「オープン前からこれだけの人がおり、殺気立っていて驚いた。サクランボを買うのがこんなに大変とは」と話した。 JAさくらんぼひがしね(東根市)の産直施設「よってけポポラ」でも、午前9時の開店前から建物を取り囲むように行列ができていた。贈答用に人気の箱詰めは例年の半分程度の入荷にとどまり、商品は飛ぶように売れていく。毎年購入に訪れる仙台市泉区、会社員佐藤広樹さん(58)は自宅用の袋詰めを確保できたが、「予想以上の混雑ぶりに驚いた」と目を丸くした。よってけポポラによると、今季は既にシーズン終盤で、品薄状態の回復は見通せないという。