ズベレフがパリ・マスターズ初優勝!地元勢アンベールに快勝でツアー通算23勝目を飾る「最高の気分でプレーできた」<SMASH>
男子テニスツアー「ロレックス・パリ・マスターズ」(10月28日~11月3日/フランス・パリ/室内ハードコート/ATP1000)は大会最終日の現地3日にシングルス決勝を実施。第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/世界ランク3位)が第15シードで地元勢のウーゴ・アンベール(フランス/18位)に6-2、6-2で快勝し、同大会初優勝並びにツアー通算23勝目を飾った。 【動画】ズベレフ対アンベールの「ロレックス・パリ・マスターズ」決勝ハイライト タロン・フリークスポール(オランダ/39位)、アルトゥール・フィス(フランス/20位)、ステファノス・チチパス(ギリシャ/11位)、さらには22年パリ・マスターズ覇者のホルガー・ルネ(デンマーク/13位)と名だたる実力者たちを連破して勝ち上がったズベレフ。勢いそのままに四大大会に次ぐマスターズで初の決勝進出を果たしたアンベールにも力の差を見せつけた。 立ち上がりからズベレフはアンベールのフラットで伸びのあるショットにしっかりと対応。コート中央への配球を混ぜてラリーのペースを落としつつ、隙あらばコーナーを突いて相手を左右に揺さぶっていく。第2ゲームからは怒涛の5ゲーム連取に成功し、そのまま第1セットを先取した。 第2セットに入ってもズベレフの勢いは止まらず、第1、3ゲームをブレークして主導権を掌握。サービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第8ゲームもきっちりとキープし、1時間15分で試合を締めた。 表彰式では地元選手に勝ってしまったことへの申し訳なさをにじませるとともに、準優勝のアンベールへの称賛の言葉を口にした。「まずはこのような結果になってしまってごめんなさい。素晴らしい1週間を過ごしたウーゴを祝福したい。彼は素晴らしい選手だ。コート外での彼の努力は目に見えてわかるし、実際に結果も出ている。ネットで握手を交わした時、僕は彼に『このままプレーを続ければ、これが(最初で)最後のチャンスにはならないと思う』と言った。彼はすぐにこのようなトロフィーを掲げることができるだろう」 また試合後の会見でズベレフはアンベールの強さを踏まえ、自身のプレー内容を満足気に振り返った。 「実は今日は最初から、ラリーに負けた時でさえ、いい感じでショットを打てていると感じていた。その感覚がある時は良い気分でいられるし、快適にプレーできて自信も出てくる。おそらくいつもよりも少しアグレッシブになりながら、多くの攻撃的なショットを打てるのだと思う」 「彼に対しては積極的なプレーをすることが重要だった。彼がアグレッシブにくる時は、最高の選手の一人となる。ただ、彼が守備に徹しなければならない時は少し苦労すると思う。一方で僕が彼のショットに対抗する必要がある時は、僕は快適にプレーできる。今日はコート後方に立ちながら最高の気分でプレーできた。それが勝利のカギだったね」 自身7度目のマスターズ優勝を手にしたズベレフは大会終了後に更新される世界ランキングで自己最高位タイの2位に浮上することが確定。来週開幕するシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(11月10日~17日/イタリア・トリノ/ハード/FIN)での3度目の優勝へ大きく弾みをつけた。 文●中村光佑