「暗闇でスマホ見るのが日課」な48歳女性があわや重大事故に。原因は、だれでも感じる【目の疲れ】にあった
「最近、急に目が見えにくくなった」などの目の悩みはありませんか? 日本の女性は一般的に50歳頃に閉経を迎えるといわれてきましたが、昨今の研究では平均値は52歳であるとされ、閉経前後の5年間が更年期と定義されています。 更年期にはからだや心のさまざまな不調に悩む女性が多いようです。 【データ】更年期の始まりのサインと気づいた年齢は? 更年期女性のお悩みのひとつに「視力の低下」があります。 今回は、更年期の視力の低下の対策法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。
「年も年だから」甘く見ていた目の疲労感
かずみさん(48歳)の体験談です。 「もともと視力はよくなくて、中学からメガネ、高校からはコンタクトレンズを使用していました。40歳を過ぎたころから、目の乾きやかすみも感じるようになったんです」 それでも、とくに日常生活に支障はなかったというかずみさん。 「最近になって、目が見えづらくなり、目の疲れもひどくなってきて……」 かずみさんは、職場では毎日5時間以上のパソコン作業をし、夕方のニュースからテレビはつけっぱなし、夜は布団に入ってからスマートフォンでドラマを見るのが唯一の楽しみという生活。 「目を酷使し過ぎかなとは感じていたものの、年のせいと思って具体的な対策はしていませんでした」
危ない! 夜の交差点で危機一髪
ある日の夜、娘が通う塾に車で迎えに行った帰り道の交差点で、左折時に人とぶつかりそうになってしまったそうです。 「お母さん何やってるの! 人がいたのに見えなかったの!」 と娘さんから叱責されたそうです。 「自分でも安全確認をしたはずなのに、全く人が見えていなかったことに落ち込んでしまいました」 危険を感じてすぐに眼科を受診したところ、左目だけ視力が大きく下がっていたことが判明しました。 「ずっと前から、目の疲れや乾燥、かすみなどの目のトラブルがあったのに放置していたせいだわ」
40~50代の視力低下の原因は?
1. 女性ホルモンの減少によるドライアイ ドライアイとは、目の表面にある涙の膜が崩れやすくなり、目の乾燥や疲れ、見えにくさといった症状があらわれている状態です。 更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)が減少するため、涙の分泌量が減りドライアイになりやすくなると考えられています。 ドライアイが慢性化すると、角膜や結膜の損傷などを引き起こし、視力が低下する可能性もあるのです。 2. 目を酷使する生活 仕事やプライベートでのパソコンやスマートフォンの使用時間が増え過ぎると、目が酷使されてしまいます。 長時間のパソコンやスマートフォンの使用は、まばたきの回数の減少による目の乾燥につながり、視力に悪影響を及ぼすのです。 3. 目の疾患 白内障( 目の水晶体が白く濁り視力が低下する病気)や緑内障(眼圧の上昇で視神経が傷つき視野が狭くなる病気)などは、進行すると視力低下を引き起こします。 眼がかすむ、光をまぶしく感じる、見える範囲が狭くなったといった症状がある場合は、すぐに眼科を受診しましょう。 また、白内障や緑内障の初期段階では、自覚症状がほとんどないこともあります。 その場合も定期的な眼科検診を受けることで、早期発見・治療が可能となり、視力の維持につながります。 【前編】では、目の疲れや見づらさを放置していてヒヤリ体験をしたかずみさんのお話と、40~50代の視力低下の原因についてお伝えしました。 ▶つづきの【後編】では、40~50代の視力低下を止めるには? 視力低下に役立つ漢方薬は?…についてお伺いします。
あんしん漢方/薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 清水みゆき