耐久VS中央学院は「脱丸刈り」対決 センバツ第3日見どころ
◇センバツ高校野球1回戦(20日、甲子園) ◇耐久(和歌山)―中央学院(千葉) 2023年夏の甲子園で優勝した慶応(神奈川)に象徴されるように、高校野球で自由な髪形が広がりつつある。20日第3試合で対戦する耐久と中央学院は、ともに丸刈りの強制をやめた。 【写真】髪型が多様な今センバツの出場選手ら 創立約170年の歴史を持つ初出場の耐久は、21年に髪形を自由にした。井原正善監督が地元の中学野球の指導者に「丸刈りが嫌だという、本質とは関係ないところで野球をする子どもが減っている」と言われたのがきっかけだった。今は「スポーツマンとしてあまりに不衛生でなければ、髪の長さは個人の判断に任せている」という。 赤山侑斗主将は初戦に向けて、「髪の毛がある同士、負けられません」。井原監督も「いい試合をして、髪形なんか関係ないというところを見せたい」と意気込む。 中央学院も22年に髪形を自由にした。相馬幸樹監督は「元々どっちでもよかった」と言い、新型コロナウイルス禍を経て校則の範囲内で自由にした。「千葉の強豪で脱丸刈りのところがなかったので、うちが最初にしようと。どこかが始めないと変わらない」と話す。 中村研心主将は「(耐久との初戦は)楽しみです。どちらも(髪の毛が)ふさふさしているのは珍しいですよね」と胸を高鳴らせる。 試合内容も好ゲームが期待される。昨秋の公式戦全9試合を1人で投げ抜いた耐久のエース右腕・冷水(しみず)孝輔に対し、中央学院は鍛え上げた自慢の走塁で揺さぶりたい。【深野麟之介】