財政難に苦しみ続けるバルセロナ、ギュンドアン放出でもダニ・オルモを選手登録できず | ラ・リーガ
MFイルカイ・ギュンドアンを放出する予定のバルセロナだが、それでもMFダニ・オルモの選手登録を完了することはできない。 ギュンドアンのマンチェスター・シティ移籍が秒読み段階となっているバルセロナ。推定年俸1500~1800万ユーロの同選手を放出することで人件費に余裕ができ、新加入ダニ・オルモの選手登録に青信号が灯ると思われていたが、それでも登録には至らない状況となっている。 バルセロナの問題は、ラ・リーガのサラリーキャップ超過をいまだ解消できていないことにある。同クラブは先日、アメリカのアラマーク社がクラブのWeb3プラットフォーム、バルサ・ビジョン(持ち株会社はブリッジバーグ・インベスト)の株式を取得したことを発表。アラマーク社は、昨季リベロ社が同株式を取得しながらも支払いを履行しなかった4000万ユーロを全額補うとされていた。が、蓋を開けてみれば取得額は2500万ユーロにとどまっている。 このためにバルセロナは、人件費(選手年俸&移籍金の減価償却費)を全予算の約70%に留めなくてはならないサラリーキャップの超過に今も苦しんでいる。同クラブは「人件費の5%以上を占める選手を売却した場合、その選手のために支払っていた年俸の70%分しか新たな人件費に回すことができない(占める割合が5%未満の選手の場合は60%)」「選手売却の移籍金として得た収入から使い回すことができるのは35%のみ」などのペナルティーを科され続けており、選手放出と獲得を“1:1”の比率で行うことができていない。 スペイン『カデナ・コペ』の説明によれば、ギュンドアンの年俸が1800万ユーロだとして、バルセロナが同選手を放出しても使用できる額は1300万ユーロにとどまる。一方ダニ・オルモの年俸(1000万ユーロ)と移籍金の減価償却費(1350万ユーロ)の合計は2400万ユーロで、選手登録をしたくてもギュンドアンの放出だけでは1100万ユーロ足りない計算になる。 スペイン『マルカ』曰く、バルセロナのデコSD(スポーツディレクター)はまず“1:1”の比率を取り戻すべく、選手放出で人件費を減らしていく方針とのこと。放出候補の一人は高年俸で知られるDFクレマン・ラングレで、同選手に対してはアトレティコ・デ・マドリードが同選手に興味を示しているようだが、現時点で合意には至っていないようだ。なおバルセロナはFWヴィトール・ロケの放出も進めているようだが、こちらは今季の選手登録が最初から行われていないために、たとえ放出しても“1:1”の比率やサラリーキャップに対する影響はない。 その一方で『カデナ・コペ』は、最も効果的な解決方法の一つとして、ユニフォームサプライヤーのナイキ社との新契約締結を挙げる。バルセロナは現在、年間6000万ユーロの契約金を1億ユーロまで引き上げることを目指してナイキ社と交渉中だ。しかしながら同ラジオ局も、たとえナイキ社との契約金を4000万ユーロアップさせられても、並行して選手放出を進めていく必要性があることを強調する。 バルセロナの当面の目標はサラリーキャップ超過の解消とダニ・オルモの選手登録(ラ・リーガ第2節アトレティック・クルブ戦までの登録を目指す模様)で、カタルーニャメディアで報道されているようなアトレティックFWニコ・ウィリアムズかミランFWラファエル・レオンの獲得は、現時点では不可能とみられている。