HYDE、マイファスHiroがサプライズ登場したツアー最終公演オフィシャルレポート「クレイジーな僕の芸術を愛してくれてありがとう」
詩人の血
「飛べ!飛び跳ねろ!」 人生は喜劇、現実は悲劇と歌う「6or9」で観客を煽るHYDE。巨大な4体のスカイダンサー(吹き上げ人形)がステージで踊るアメリカンなロックショー空間で、観客たちもタオルを回し、飛び跳ねて応える。バンドメンバーもフロアを練り歩き客を煽って盛り上げる。 続く「MAD QUALIA」ではHYDEもフロアに降臨。柵の上に立つと、ドラマーもシンバルスタンドを抱えたままフロアを走り回っている。「SOCIAL VIRUS」ではHYDEが両手を掻き分けるようなポーズで観客に向かって合図。すると、モーゼの海割りのようにフロアに大きなウォール・オブ・デスが誕生。HYDEの「3、2、1」のカウントで壁は巨大なサークルモッシュと化す。 最強のライブチューン「MIDNIGHT CELEBRATION Ⅱ」が始まると、HYDEが頭から血塗れになった姿が見える。ヴィクトリアンなシャツブラウスにも血を滴らせながら激しく歌うその姿を前に、フロアではクラウドサーファーたちが次々と飛び交う。そして血塗れ姿のまま、切なく響くピアノに乗せ、「LAST SONG」を歌うHYDE。髪にも頬にも大量の血が滴る中、真っ赤な光に染まったステージの上から血しぶきのような赤い紙吹雪が降り注ぐ。食い入るようにステージを見つめる観客の前で、心の悲鳴のような歌を歌いながら崩れ落ちるHYDE。MVでの世界観さえ超越した“舞台”のような演出に誰もが息を呑む。 幕が降りた後は、バンドメンバーがステージを飛び出し各自がソロ演奏を披露。それぞれが強者ミュージシャンであることを痛感する中、ドラムがセットごと会場脇から登場。そのままフロアの中央で「HYDEコール」を扇動。すると遂にHYDEも登場。メンバー全員でヘドバンしながら「PANDORA」と「INTERPLAY」を披露。ミラーボールが光を放つ中、幸せなパーティーに観客の誰もが笑顔を浮かべているのが見える。演奏後は客席に向かって水鉄砲を放ちながらステージに戻るHYDE。