HYDE、マイファスHiroがサプライズ登場したツアー最終公演オフィシャルレポート「クレイジーな僕の芸術を愛してくれてありがとう」
フェスで魅了された「HYDEビギナー」も参戦
ダンサブルなビートが鳴る「ON MY OWN」では軍帽を取り、フラッグを掲げて歌うHYDE。美しさと激しさが交錯する「THE ABYSS」では、絶望と後悔の底で許しを乞うように歌うHYDEの潤んだ瞳がスクリーンいっぱいに映し出される。そして、静かに拍手が響く中、8台の炎のトーチが点り、テレビアニメ『「鬼滅の刃」柱稽古編』のED主題歌、 "HYDE × MY FIRST STORY" 「永久 -トコシエ-」が歌い上げられる。 <頭(こうべ)を垂れて道を譲れ> 「THE ABYSS」のリリックが対になって響くことで善悪の彼岸が曖昧になっていく……このアンビバレンツな表現こそ、HYDEというアーティストの真骨頂と言えるだろう。 濃密なライブハウスツアーの合間、今年もHYDEは多くの大型フェスに出演している。ジャンルレスなものから、強者ラウドロック勢が集う『男鹿フェス』には2年連続の出演となるなど、数多のロックフェスでの手応えも確実に彼の音楽に大きな影響を与えているに違いない。そして、今回の『『HYDE [INSIDE] LIVE 2024 -EXTRA-』では、フェスで初めてHYDEのライブを観て興味を持ってくれた人を今回のライブに招待する「集えHYDEビギナー」というSNS企画が開催されており、この狂乱の空間の中にはそのHYDEビギナーたちも含まれているということになる。 この日、「昨日(幕張初日)はやり過ぎたかな、明日声出るかなって、ちょっと心配になるよね。けど全然、出るぜぇ~」と言った後、完璧な高音ファルセットを披露して見せた一幕もあったが、すさまじいほどのデスボイスを響かせたかと思えば、その反動など物ともせず優美なメロディをしっとりと歌い上げる。その姿は、確かにそこにあるのに絶対に手が届かないカリスマの姿。ビギナーたちの目にボーカリスト=HYDEの底力は一体どんな風に映ったのだろうか?