〝テロ助長〟FBIの警告に答える「今すぐ考え、行動を」 「HOW TO BLOW UP」ダニエル・ゴールドハーバー監督
政府の無策が現状をもたらした
今回の作品は若い人たちの計画や行動を追っている。「この物語を作る時に、僕や友人たちの視点から始めたので登場人物は若者が中心になったが、年齢やバックグラウンドは関係ない。70代、80代のアクティビストもいる」と話す。 「気候変動の問題は15年も20年も語られているが、最後は『どうしよう』で終わってしまう。選挙に行こうとか電球を替えようとか、ハイブリッド車に乗り換えようと言っても、それ(だけ)ではダメだということはみんな分かっている」。日常の発想から、文明論的な話になっていった。 「先進国に住む我々は、暑い日が増えたり山火事が頻発したり、ガスの値段が上がったりすることはあっても、それほど不安定な状況にはなっていない。若者も、自分たちがどうしたいかのロードマップを持っていない。特に先進国の若者は、まだ居心地がいい。歴史をひもとくと、人々は問題がものすごく悪化して初めて立ち上がる。政府や体制側が問題に手を付けてこなかったから、現在の状況が生じているのは確かだ」 映画製作の背景に強い意志があるのは明らかだ。「だからこそ、この状況からどうすればいいか。みんなで(今すぐ)考えていかなければならない。小さな映画だが、そのきっかけになればいいと思っている」
映画記者 鈴木隆