公務員が「老後も安泰」と言われる理由とは? 公務員の「年金」「退職金」について解説
公務員は「老後も安泰」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。では、なぜこのようなことが言われているのでしょうか。そして、いまでも「老後も安泰」と言えるのでしょうか。 そこで、本記事では、公務員が老後にもらえる年金、退職金の額を紹介します。あわせて、1ヶ月の平均支出を比較して、解説していきましょう。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
公務員がもらえる年金・退職金の額とは?
老後、公務員には「国民年金」「厚生年金」「年金払い退職給付」が支給されます。まず、令和5年度の国民年金の月額は6万6250円、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は22万4482円です。 厚生年金の額は平均的な収入(平均標準報酬が賞与含む月額換算で43万9000円)の人が、40年間働いた場合の年金(老齢厚生年金と2人分の満額の老齢基礎年金)の給付水準です。 次に、年金払い退職給付には「有期年金(10年・20年)」「終身年金」があります。有期年金は受給できる期間が決まっており、10年間または20年間のどちらかを選択できます。 一方、終身年金は死ぬまで受給できる年金のことです。 連合会定款に定める事項を基にした年金額のモデル(平均月収が40万6000円、40年間加入、65歳支給開始)によれば、受給できる終身年金が8108円、有期年金(20年を選択した場合)が9191円です。 総務省の「令和4年 地方公務員給与の実態」によれば、地方公務員の定年退職による退職金等の平均支給額は約2123万6000円になります(ただし、25年以上勤めた一般職員の場合)。
年金額+退職金で老後は安泰か?
総務省統計局が公表した「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要」によれば、夫婦高齢者無職世帯の支出額は26万8508円です。公務員が月にもらえる「国民年金(6万6250円)+厚生年金(22万4482円)+年金払い退職給付(終身年金が8108円、20年を選択した場合の有期年金が9191円)」の平均額は30万8031円です。 夫婦高齢者無職世帯の支出額26万8508円と比較すると、老後にもらえる年金額は生活できる金額であることがわかります。それに加えて、退職金が平均約2123万6000円入ります。万が一、病気やけがなどで大きなお金が必要になったときでも、退職金から不足分を補うことができるでしょう。 ただし、あくまでも平均的な夫婦高齢者無職世帯の支出と比べた場合です。ぜいたくをしながら、悠々自適に生活できるということではないのです。老後破産は収入が低い人のみに起こることではありません。 現役時代と同じ支出額のまま生活していると、老後破産する可能性もあります。しっかりと資産計画を立て、老後の生活を送ることが大切です。また、現役世代のうちに貯蓄に励むようにしましょう。