「あれ!?何も入ってねえ」実際被害にあった男性は2年ぶりに開けて驚き 被害額十数億円の貸金庫窃盗「お客さまの貸金庫を無断で開け窃取した」半沢頭取が謝罪
■「同じような鍵管理の銀行は少なくない」と元メガバンク支店長は指摘
メガバンクの支店長の経験がある菅井さんは、同じような方法でスペアキーの管理している銀行は少なくないと指摘する。 元メガバンク支店長 菅井敏之さん:『えっ!?うちもあるかも』って、肝を冷やしてるところはあると思う。(鍵を)本部管理にしないと、また起こり得るなっていうふうに、恐らくほとんどの銀行が思ってる。
■貸金庫の特性「盗まれたことに気付きにくい」 “預けた本人しか分からない”“証明もできない”
また、窃盗の背景には「盗まれたことに気付きにくい」という貸金庫の特性もありそうだ。 貸金庫で窃盗被害 安達元一さん:あれ!?何にも入ってねえ。空っぽだと思って。何が起きたみたいな。 安達さんは2019年、三菱UFJ銀行とは別の銀行の貸金庫で、現金がないことに気が付いた。 中を確認したのは2年ぶり、さらに…。 貸金庫で窃盗被害 安達元一さん:貸金庫って、中に何を入れたかって別に申請もするもんでもないし、入れた本人しか分かんないんで、証明もできないから、(銀行から)『安達さん本当に入れたんですか、どっか出して忘れてるんじゃ』と疑われるなって思った。 しかし、2カ月後…。 貸金庫で窃盗被害 安達元一さん:(銀行から)『うちの行員が盗んでいました。申し訳ありませんでした』と連絡がありました。銀行員が預けたお金盗んじゃダメでしょ。
■関西に拠点を置く金融機関は一斉点検を実施
三菱UFJ銀行の事案を受けて、関西に拠点を置く金融機関は…。 関西に本店を置く銀行:まさに今、貸金庫の一斉点検をしている。記者会見で分かってきたこともあるので、不正防止のための対策を検討していきたい。 関西にある信用金庫:客から問い合わせが来ている。一斉点検を終えて、窃盗被害はなかった。鍵の管理体制も見直した。
■民間の貸金庫では鍵は客が管理 「信用してもらうには全て渡した方が」
鍵を悪用した窃盗をどう防ぐのか。 兵庫県にある民間の貸金庫を取材すると…。 トレジャーセーフティー美野田勇二代表:鍵はスペアキーを含め2本あるんですけど、これは2本ともお客さまにお渡ししてという形になります。弊社は、鍵に関しては持ってない。 こちらの貸金庫では、鍵の管理を会社側は行わず、スペアも含め利用客に任せている。 トレジャーセーフティー美野田勇二代表:弊社のスタッフが金庫開けられるとなると、お客さまに信用していただけない可能性もあるので。プライベート空間という形で借りていただいている中で、人間ですから、信用していただこうと思うのだったら、全てお渡しする方が。 三菱UFJ銀行によると、元行員は盗んだ金を「投資にまわした」と供述。 他にも複数の顧客から、「盗まれた」という声が寄せられていて、被害が拡大するおそれがあるということだ。 (関西テレビ「newsランナー」2024年12月18日放送)
関西テレビ