米つなぎ予算頓挫 サンダース氏「マスク大統領のお気に召さず」
米連邦議会のバーニー・サンダース上院議員(民主党系無所属)は18日、X(ツイッター)への投稿で、超党派の議会指導部が合意した「つなぎ予算案」の審議が頓挫したことを巡って、「地球上で最も金持ちのイーロン・マスク大統領のお気に召さなかった」と皮肉った。 【写真まとめ】トランプ次期政権の人事 主な顔ぶれ(2024年11月現在) マスク氏はトランプ次期大統領らと共に、来年3月までの連邦政府の資金を確保する、つなぎ予算案への反対を表明。共和党内の反対の機運を高め、予算案をつぶしていた。 サンダース氏は「民主党と共和党は何カ月もかけて、政府の資金を確保するための超党派合意に向けて交渉してきた。大金持ちが政府を運営することは許されてはならない」とマスク氏や共和党を批判した。 2025会計年度(24年10月~25年9月)の予算は未成立で、当面の資金を確保するつなぎ予算が成立しなければ、米政府は21日にも一部閉鎖に追い込まれる公算が大きい。 一方、共和党のランド・ポール上院議員は19日、Xへの投稿で、トランプ次期政権を見据えてマスク氏を下院議長に選ぶ奇策を提案した。トランプ氏に近いマージョリー・テイラー・グリーン下院議員も賛意を表明。下院議長は議員である必要はないが、現実味は薄い。マスク氏が意欲を示しているわけでもないが、政界での存在感が高まっている。 マスク氏は7月のトランプ氏を狙った暗殺未遂事件直後、トランプ氏への支持を表明。多額の資金を投じて選挙運動を支援し、トランプ氏への影響力を高めた。次期政権では政府外助言機関「政府効率化省(DOGE=ドージ)」を率いて、行財政改革に取り組むことになっている。【ワシントン秋山信一】