無税の「政治資金」5000万円を父から“贈与” 「小泉進次郎」は本当に自民党を刷新できるのか? 地盤、看板、カバンを全て引き継いだ「究極の世襲政治家」
4代にわたる強固な地盤
「小泉家が政治に携わるのは、純一郎氏の祖父、進次郎氏にとっては曾祖父に当たる小泉又次郎氏(1865~1851)が1907年に横須賀市議に当選した時に始まります。翌年、衆議院議員に初当選し、以来連続12回の当選を果たし、逓信大臣も務めます。それを引き継いだのが又次郎氏の娘婿となる小泉純也氏(1904~1969)で、防衛庁長官を務めました。さらにそれを継承したのが小泉純一郎氏で、総理大臣にまでのぼり詰めました。小泉家は代々、神奈川県の横須賀を地盤とし、戦後に又次郎氏が公職追放された一時期と純一郎氏が初出馬で落選した時を除き、100年にわたり地盤を築いてきました。現在の選挙区である神奈川11区には、投票用紙に“小泉”としか書いたことがない人だらけ。その小泉王国とも言える地盤を丸々引き継いだのが進次郎氏です」 そして看板――。元総理の息子であるから、その知名度は申し分ない。しかも父は人気者だった。 「さらに、進次郎氏の兄は人気俳優の小泉孝太郎(46)、妻は人気アナウンサーの滝川クリステル(46)。周囲にこれだけの有名人がいれば、看板に不足はありません。彼は選挙時、他の候補の応援に引っ張りだこで、ほとんど地元に入らなくても毎回15万票前後と全ての衆議院議員の中でトップクラスの得票を獲得しています」 そして鞄である。週刊新潮は2019年8月29日号に「『純一郎』から無税でいくら贈与された?」という記事を掲載した。
政治家としての資質にも疑問符
《父の引退と自身の出馬に先立って、彼を後援する政治団体として「小泉進次郎同志会」が設立された。その年、「同志会」は355万円の収入があったが、そのうち350万円は純一郎氏の政治団体からの寄付で、実に収入の99%に及ぶ。/また、やはり08年、進次郎氏は父が代表の「自民党神奈川第11選挙区支部」を継承。その際、5163万円の金が残されていて、こちらもそのまま息子が受け継いでいる。》 〆て5513万円を父から譲り受けたわけだが、このお金は“政治資金”であるから課税対象とはならない。 「現在の政界で4代にわたる世襲は、麻生太郎氏(83)、古屋圭司氏(71)、林芳正氏(63)、岸信千世氏(33)といった自民党議員ばかり。進次郎氏がいかに自民党らしい政治家であるかがわかります」 さらに、政治家としての資質も問題視されている。彼が最初に注目されたのは、選挙応援の際の演説の上手さだった。 「たしかに、地方に応援に行ったときの演説の上手さは際立っていました。ところが、テレビ東京の選挙特番『池上彰の選挙ライブ』が進次郎氏を追いかけ続け、池上さんが彼の演説を分析しました。曰く、まずは集まった聴衆をいじり、ご当地の方言を使う。続いて最近の自民党の批判をした上で、“良くなっていくので応援してほしい”とお願い。その上で“この候補者を当選させなければいけないから応援に来た”という構文があることを明かしていました。以来、進次郎氏は、池上さんの取材にいい顔をしなくなっています」 環境大臣に就任すると会見の機会も増え、“ポエム”と評されるその発言に疑問の声も出始めた。 「環境大臣として国連の気候行動サミットにて参加した際、『気候変動のような大きな問題は、楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきです』と発言したことは海外でも大きく取り上げられました。言葉は発しているものの中身がないので、ネット上でも揶揄されています」 そんな中での総裁選出馬である。同じく21日の朝刊1面で「小泉氏 総裁選出馬へ」と報じた毎日新聞は、こう案じている。 《小泉氏には党四役や主要閣僚の経験はなく、「まだ早い」(無派閥中堅)との声もある。(中略)論客がそろうであろう総裁選での舌戦に小泉氏が耐えうるか不安視する声もある》
デイリー新潮編集部
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