日本女子ツアーはどうなる? 山下美夢有、竹田麗央、岩井姉妹など看板選手米国流出への施策は?
日本女子ツアーの看板選手たちが次々と米女子ツアー参戦を目指すと発表。このままでは日本ツアーの選手層が心配だ。 来季の米女子ツアーを目指す竹田麗央のラフからのアプローチショット
今季、米女子ツアーでは日本選手が躍動。笹生優花、古江彩佳がメジャー優勝。西郷真央、畑岡奈紗、渋野日向子、西村優菜、勝みなみの7人が来季シード圏内をキープ。稲見萌寧も昨年勝った試合(TOTOジャパンクラシック)でのシードを持つ。 また2年連続年間女王の山下美夢有、今季7勝の竹田麗央が来季米女子ツアー参戦に向けてQスクール(最終予選会)に出場すると発表。岩井明愛・千怜姉妹はすでにエントリーしている。 さらに最終予選会出場をかけたQスクールの2次予選会には原英莉花、神谷そらが挑戦する。1次予選を突破した山口すず夏らも出場が見込まれる。吉田優利もまだ来季シード獲得が微妙、先述した馬場咲希は最終予選会への出場がほぼ確定となっている。今後の予選会の結果次第では、来季15人前後の日本勢が米女子ツアーを席巻するかもしれないのだ。
最高峰の舞台を目指すのはプロスポーツとして当たり前
「それはプロスポーツとして必然」と話すのは、テレビ解説者のタケ小山。 「だって日米ツアーの賞金総額を比較すると、米国は約175億円、日本は44億円ですよ。それに渋野選手や笹生選手、さらには小柄な古江選手がメジャーに勝ち、『それなら私たちにもチャンスがある』と思うのは人情でしょう。MLBと同じように最高峰の舞台を目指すのはプロスポーツとして当たり前です。ここで問題なのは“出”より“入”を制限してきたJLPGAの施策ですよ」(タケ小山) どういうことか? JLPGAは19年、プロテストに通らなければQT(ツアー予選会)へ出場できない制度を採用した。それまではプロテストに合格しなくてもQTにエントリーすることが可能で、いわゆる“単年度登録”でツアーへ出場できた。つまりツアー参戦の門戸は広かったのだ。さらにプロテスト合格はたった20名という超狭き門。 「ツアーに功のあったそのときの現行メンバーを大事にしたいという施策だったのは理解できますが、現状に即していないのでは。年間たった20名しか新たに挑戦できないというのでは新陳代謝もないし、活気など生まれません。テスト合格者以外の“原石”も掘り起こさなければ、ツアーの将来はありません。20名のテスト合格というのは即刻やめるべきです」(タケ小山) JLPGAはこれをどう聞くだろうか。 ※週刊ゴルフダイジェスト10月29日バックナインより
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