“夢から覚める”難しさ 西村優菜「チャンスにつくコースじゃない」
◇女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 事前(21日)◇セントアンドリュース オールドコース (スコットランド)◇6784yd(パー72) 【画像】きょう開幕!セントアンドリュースから最新フォトギャラリー 初めてセントアンドリュース オールドコースを回った18日(日)、西村優菜は「いきなりピンを間違えて打っちゃいました…」と恥ずかしそうに笑った。スタートした10番は、8番(パー3)とグリーンを共有しているダブルグリーン。早々に面食らいつつ、ゴルフの聖地を訪れた感動はやはり大きかった。「テレビで見ていた世界に来ている感じで、夢のようです」と声のトーンは上げる。 「でも、プレーすると現実を見る感じ…」と話すように、コースのタフさは想像以上。アウトコースは8番で方向が変わるまで、ひたすら左から風を受けながら進んでいくロケーションがやっかいだ。ドローヒッターの西村が苦手意識を持つ風向きで、ホールによって微妙にフォローやアゲンストも入ってジャッジが難しい。
男子メジャー「全英オープン」開催時には屈指の難関となる17番への警戒も強める。「一番タフなホールだなと思っています」。アゲンストの風が吹けば、飛距離的にもセカンドで3Wを握ってグリーンエッジまでギリギリ届くかというパー4。左手前には1978年大会で中嶋常幸が脱出に4打を要して優勝争いから脱落した“トミーズバンカー”が口を開ける。今季サンドセーブ率でツアー1位(63.49%)に立つスキルをもってしても、「あれは入れたくないですね…」と苦笑いで首を振る。
直近5試合で4度の予選落ちを喫し、今季メジャー最終戦を理想的な流れで迎えることはできなかった。それでも、「スコットランド女子オープン」で経験した強風は今週のクラブ選択に生きてくるはず。その試合で投入しようとしてヘッドが間に合わなかったキャロウェイ「パラダイム Ai スモーク ユーティリティ」(5番24度)もこの日届いた。前週からバッグに入れた同モデルの4UT(21度)、「APEX Ai200」の5Iを含めてリンクス対策のセッティングが整った。
「なかなかうまくいかない時が続いている中ですけど、(簡単に)バーディチャンスにつくようなコースではないので、ミスを最小限にっていう意識でしっかり気持ちを保つことがまずは大事。ここに来た幸せをかみ締めながら、楽しんでできたら」。折れずに戦い続ければ、トンネルの出口も見えてくるはずだ。(スコットランド・セントアンドリュース/亀山泰宏)