プロテイン、クリーム系パスタ、早食い…「おならが強烈に臭い&便がでない人」の特徴と対策
なんだか最近お腹が張っておならがよくでる。しかもすごくクサイ…そんなお悩みを持っているかたは、食習慣に問題があるかもしれません。よかれと思って始めた習慣が胃腸に負担をかけていることも…。そこで今回は、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、おならの量やニオイが気になる人のための食薬習慣とNG習慣を教えてくれます! 【保存版】腸内環境を乱す食習慣とは…「おならが強烈に臭い&便がでない人」のNG習慣まとめはコチラ
おならが臭い、便がでない原因となる食べ物とは…
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 284 最近、昔よりお腹が張りやすくなった気がする、おならのニオイが臭くなった、便がスッキリでないといったお悩みが増えたということはないでしょうか? もしかしたら、それは毎朝、必ず取り入れている〇〇やダイエットのために意識して増やしている〇〇の取りすぎが原因となっているかもしれません。 この〇〇とは、プロテインです。どんな体に良いとされている食べ物だとしても自分の消化吸収能力を超えてしまうくらいの量を食べていたり、一つの食材ばかり食べていたりすると胃や腸の負担となり、腸内で悪玉菌が増殖したり、細菌叢の多様性が失われてしまったりすることがあります。 そのほかにも、よく噛まずに早食いをしたり、秋限定のクリーム系パスタや濃厚スイーツなどにはまったり、嫌なことやプレッシャーが多くストレスが過度にかかっていたりする時にも、おならの量が増えたり、ニオイがきつくなることがあります。 ということで、今週はおならの量がニオイが気になっている人のための食薬習慣を紹介します。 今週は、おならの量やニオイが気になる人のための食薬習慣 秋らしい気候になってきましたね。肌寒くなると、キノコやサツマイモ、鮭などをたっぷり使ったクリーム系のパスタにグラタン、栗やメルティなチョコレートやチーズを使ったモンブランや濃厚ケーキなどを食べたくなりますよね。1年の中でも秋限定のグルメは、毎年楽しみにしているという人が多いと思います。 ただ、こういった魅惑の食べ物ばかりを毎日食べていると糖質や脂質が多く、いつの間にか腸内環境を乱してしまうことがあります。おならが臭くなったり、便秘になったり、肌荒れをしたり、感染症にかかりやすくなったり、気分が落ち込みやすくなってしまうこともあるので、気を付けましょう。旬のものは、体に良いからいくら食べても良いと思ってしまう人も多いようですが、少しずついろいろな食材を楽しみ、食欲の秋を楽しみながら、スポーツの秋も取り入れ、食べて動いてヘルシーに満喫したいですね。 そして、食べ過ぎてしまった人は、ダイエットのためにプロテインを意識して取り入れるようにするかたも多いと思います。ただ、美容と健康のために続けているプロテイン習慣も、自分にとって適切な量を超えていると胃腸に負担を感じたり、おならや便が臭くなることがあります。漢方医学では、何事も偏らないように中庸を意識することが大切だとされています。秋は食の誘惑が多く、偏食になることがあるので、今から気をつけていきましょう。 漢方医学では、おならが臭くなるときの状態を『脾胃』の働きが低下し、『湿熱』がたまっている状態と考えます。そこで、今週は『脾胃』を強化し、『湿熱』を取り除く食薬がおすすめです。 今週食べるとよい食薬は、【モロヘイヤとなめこの味噌汁】です。 そして逆にNG習慣は、【プロテイン飲料やお肉などたんぱく質の取りすぎ】です。 食薬ごはん【モロヘイヤとなめこの味噌汁】 『脾胃』を強化し、『湿熱』を取り除いてくれるネバネバ食材をつかったお味噌汁です。スルッとした便を目指すことができ、腸内環境を整えてくれます。 <材料> モロヘイヤ 1束(みじん切り) なめこ 1パック 生姜 1片(すりおろす) 水 400ml ニンニク 1片(スライス) 味噌 大さじ1くらい <作り方> 材料をひと煮立ちさせたら完成。お好みでオリーブオイルをたらすとお腹の冷え対策にも。 NG行動【プロテイン飲料やお肉などたんぱく質の取りすぎ】 数年前まではプロテインと言えば、筋トレをしているムキムキな男性が飲むものというイメージがありましたが、ここ10年くらいで美容や健康に対して意識の高い人が摂るヘルシーなイメージに変化し、プロテイン飲料やプロテインバー、たんぱく質が多く含まれるヨーグルトやパン、カップ麺までもコンビニやスーパーで手軽に購入できるようになりました。 朝食にプロテインのパウダーを牛乳に溶いて飲むことが習慣となっていたり、小腹がすいたらプロテインバーを食べたり、お米やパンを控えて、お肉をたくさん食べて食事を済ませるというかたもいらっしゃると思います。 ただ、万人がたんぱく質をたくさん食べれば健康になれるというわけではありません。胃腸の働きが弱い人にとっては負担となり、お腹が張ったり、おならが臭くなったり、便がスッキリでなくなったりすることもあります。この臭いおならの原因物質であるスカトールやインドールは、プロテインを摂り入れたあとに腸内細菌によって作り出されます。そのため、プロテインを多く摂りすぎている人は、おならや便のニオイが臭くなる傾向があります。 さらに、胃腸が弱い人の中には胃酸の分泌が少ない人も多いです。そういった人の場合には、消化不良を起こし、未消化物が腸内で発酵し、膨満感や臭いおならの原因となることがあります。 常に膨満感や臭いおなら、ベットリした便などに悩んでいるような人は、たんぱく質の摂取量や食物繊維や発酵食品などの摂取量などを調整し、メンタルや免疫、解毒などに関係する腸の状態を常にいい状態にキープできるようにしていきましょう。おならや便の状態を把握し分析することは、私たちの体調管理をする上で非常に役立ちます。なんとなく感じる小さな不調を感じるよりも、もっと前の段階で食事内容を微調整できるからです。 体からの小さな合図を見逃さないようにする癖をつけることを続けていくことで、未来の私たちの体は健康を維持できます。食薬を習慣化していきましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)や新刊『だる抜け ズボラ腎活(ワニブックス)』でも紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは… 『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報> 大久保 愛 先生 漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。 公式LINEアカウント@aika ©FAHMI/Adobe Stock
大久保 愛