名簿や口座手配、旧五菱会の「センター」に似た組織が関与か 元メンバーらのヤミ金事件
平成15年に摘発を受けた指定暴力団山口組五菱会(当時)系ヤミ金グループの元メンバーら4人が逮捕されたヤミ金事件で、多重債務者の名簿や返済金入金のための口座などについて、指示役の針谷恭輔容疑者(44)が「センター」から手配を受けたと供述していることが22日、捜査関係者への取材で分かった。五菱会にはヤミ金グループを統括する「センター」という機関が存在。警視庁生活経済課は似た組織が残っているとみて調べている。 【イラストで解説】針谷恭輔容疑者らによるヤミ金事件の構図 捜査関係者によると、針谷容疑者は「サカイ」と名乗り、返済金をATMから引き出す出し子や、駅のコインロッカーに入れる運び屋などを使っていた。針谷容疑者とともに逮捕された出し子は、「返済の代わりに仕事を始めた」と供述。針谷容疑者らは債務者らを取り込み、摘発されるリスクの高い出し子や運び屋を担わせていたとみられている。 針谷容疑者は五菱会時代、店舗で集客や貸し付けを担当し、五菱会の摘発後はいったん離れたものの、平成30年ごろに独立してヤミ金を再開。調べに対し、「五菱会で味わった金貸しが忘れられなかった」と話しているという。 針谷容疑者らは、令和5年10月~6年2月、無登録で男女9人に約180万円を貸し付け、法定利息の約3~17倍となる約68万円の利息を受け取ったなどとして、貸金業法違反や出資法違反などの疑いで逮捕された。