なんばウォークに甘~い香り 学生たちがお菓子神社制作
なんばウォークに甘い香り 学生たちがチョコ神社制作奮闘中 THEPAGE大阪
学生手作りのチョコ神社で縁結びなんばワン──。9日午前、筆者が出勤途中に大阪市中央区の地下街「なんばウォーク」を通ると、いつもと違う甘い香りが漂っていた。まだ飲食店は開いてないし何かと思い香りの強い方向へ行くと、広いスペースをいっぱい使ってパティシエ姿の若者によるお菓子作りが行われていた。いったいなぜこのような事を行っているのか。関係者に話を聞いてみた。
地主神社見学など昨秋から準備
なんばウォークによると、これは毎年バレンタインの時期に合わせ、同所のクジラパークで行われているイベントで、今年は「お菓子で作る!縁結びなんばワン神社」を、大阪調理製菓専門学校の製菓総合本科に通う生徒36人が制作している。 パティシエの卵である学生たちは、チョコレート約20キロを中心に、クッキー約1200枚、マカロン約3000枚を焼くなどして神社制作に取りかかる。 「マカロンは足りなくなって、さらに1000枚追加して焼いたんです」と話すのは、このイベントのリーダーを務める同校の西村研吾さん(20)。京都府で「縁結びの神」として有名な地主神社の鳥居や社殿、恋占いの石などをモデルに、同神社の協力を得てじっくり見学。昨秋から準備にかかってきたという。
マカロンひとつも、生地からていねいに
制作する鳥居は高さ2.7メートル。そして、神社は高さ2メートル、幅3メートル、奥行き1.8メートルもあり「マカロンひとつでも、生地からていねいに作ってます」と西村さん。鳥居の制作もパティシエの基本となる「しぼり」を中心にていねいに制作。担当する女子生徒は「握力とか大変ですけど、頑張ります」と笑顔で作業に取り組んでいた。 こうした生徒たちの取り組みに、通行人も足を止め、写真撮影するなど注目する。大阪市内から来たという60代の女性は「香りがすごいし、これは見事。生徒さんたちも若いうちにこういう経験するのはすばらしいことですね。応援します。ところでこれは、展示期間終わったらどうするの?食べられるの?」と話していた。 見物する人からは「食べられるの?」という意見が多く聞かれたが、長期間置いておく「展示用」のため食べられないとのことだ。
10日午後2時から完成式開催 14日まで展示
10日午後までには作業を終え、同日午後2時からは完成式が行われる。除幕式は学生たちが行うという。「皆さんに喜ばれる神社を作ります」と意気込む西村さん。11日からは地主神社へ奉納して恋愛成就を祈願する「なんばワン絵馬」(1日先着800枚)と「なんばワン恋みくじ」(同2000枚)が配られるなど、今年も「恋愛成就」を祈願する女性たちでにぎわう光景が見られそうだ。