出発順伝える運用、当面停止に 誤進入を常時監視、緊急対策
羽田空港で日航と海上保安庁の航空機が衝突、炎上した事故で、国土交通省は9日、再発防止に向けて管制官の業務内容の一部を見直す緊急対策を公表した。滑走路への誤進入防止機能の表示画面を常時監視する担当を配置。管制官が「ナンバー1」などと出発順をパイロットに伝える運用を当面見合わせる内容も盛り込んでいる。海保機が出発順を離陸許可と勘違いした可能性を考慮したとみられる。 斉藤鉄夫国交相はこれまで「原因がはっきりしたら抜本的な対策を取る」としていた。 国交省によると、管制塔には、着陸機が接近する滑走路に別の機体が進入した場合に管制官に注意喚起する「滑走路占有監視支援機能」がある。進入を検知すると卓上の画面で滑走路が黄色になり、航空機は赤色に表示される。 画面を常時監視する決まりはないが、事故を受けて羽田では6日から担当者を配置した。増員ではなく役割分担の変更で対応する。羽田以外の空港でも常時監視する要員を置くかどうかは未定としている。
事故は2日午後5時47分ごろ発生した。