小池栄子×仲野太賀、宮藤官九郎脚本に感じる“メス”の鋭さ 『新宿野戦病院』でタッグ「ドヤ顔で突っ走る」
■3回目での「はい入って!」に動揺 ――撮影現場の様子は、いかがですか? 小池:空気ができるのが早かったです。事前にスタッフさんが代役を務めていろいろ動きを作ってくださって、それを2回見て、3回目で「はい入って!」って言われて、すごく動揺したのを覚えてます(笑)。そのスピード感だけでなく、「この人とこの人の関係性から、この人はどういう気持ちでここにいるのか」とか、「医療を志したときと今はどう違うのか」というところまで丁寧に演出されているんです。 ――相当人が動く演技になる中で、細かい部分まできちんと作られていく現場なんですね。 小池:そうですね。 仲野:それを楽しんでもらえるよう頑張ります……といっても、僕はあんまりすることがないので(笑)。一番大変なのは小池さんで、それに比べたら僕は非常に楽な立場ですいません! 小池:いえいえいえ(笑) ――小池さんは『新ナニワ金融道』(2015年)以来の河毛俊作監督ですね。 小池:やっぱり監督の顔を見ると、緊張してビシッとしますよ。最後には「一緒にやって良かったな」と思ってもらいたいと思って、一生懸命やってます。「なんだ、つまんなかったな、こいつ」とは思われたくないので(笑) ――仲野さんは、河毛組の現場は初めてですか? 仲野:はい。やっぱりフジテレビの巨匠の監督さんという印象で、そんなすごいキャリアのある方と宮藤さんが組むというだけで楽しみでしたし、そこに携われるのもうれしいです。河毛さん、宮藤さん、小池さん、僕で世代が違うんですが、その中で同じものが作れるということが、素敵だなと思います。 ――河毛監督独特の撮り方というのはあるのですか? 仲野:撮影が始まったばかりのころ、リハが終わったら河毛さんが、「今言うのもアレなんだけどさ、俺、基本1テイクしか撮らないから」っと宣言されて(笑)。撮影は速いですし、失敗できない緊張感がありますね。 小池:緊張しますよ。そこにみんなが思いを込めますからね。