熱のこもった稽古に励む中学生＝津幡町総合体育館相撲場

　　●本人も原点の土俵 　　●積極性や礼節、手本に 　大相撲秋場所で2度目の優勝を果たし、大関昇進を確実にした関脇大の里（24）=本名中村泰輝=のふるさと津幡町で、少年力士たちが郷土の星に続けとばかりに熱のこもった稽古に励んでいる。稽古場の町総合体育館相撲場は、大の里が小学生時代に前へ出る積極性や礼節を学んだ原点の土俵。児童生徒は「大の里のように強くなりたい」と闘志を燃やし、心技体を磨いている。 　24日は津幡南中相撲部と大の里が所属した町少年相撲教室の合同稽古が行われ、中学生9人、小学生13人が四股やすり足、申し合い、ぶつかり稽古で汗を流した。 　津幡南中は十両欧勝海（23）=本名深沢成矢=を擁した2016年に全国中学校体育大会で2位となった実績がある。29日に県新人大会を控え、外部コーチの西村幸祐さん（45）が見守る中、張り詰めた雰囲気で調整を進めた。 　主将の犀藤源太さん（2年）は射水市出身で、相撲が強くなりたいと津幡南中に進学し、寮生活をしながら鍛錬を積んでいる。大の里の礼儀を重んじる姿勢を手本にしているとし、「泰輝さんのように多くの人から応援される力士を目指している」と語った。 　町少年相撲教室の児童は西村さんや中学生の指導を受けながら、足の運び方や腕の使い方、礼の仕方などを学んだ。主将の髙宮泰さん（津幡小6年）は「大の里のように一気に押していく相撲を取れるようになりたい」と力を込めた。 　小学生時代の大の里を指導し、現在は教室の監督を務める長井恒輝さん（32）は「身近に接していた人の活躍を見て、子どもたちも刺激を受けている」と話した。 　　●金沢場所「行きたい」 　10月6日には大の里が参加予定の大相撲金沢場所が開催される。稽古後の子どもたちからは「見に行きたい」との声が聞かれた。