「相手を早くあやめないとやられるのが戦争」元ゼロ戦パイロットが平和訴え
市民ら「胸に染みた」「考えさせられた」
聴講した市内の男性(82)は「私の兄は出征して生還できましたが、今回、真珠湾攻撃に参加した人の話を初めて聴き、胸に染みました」と話し、千曲市の男性会社員(42)は、「ゼロ戦に関心もあって来ましたが、敵の顔を見てその人をあやめたという話に考えさせられました」と話していました。 「戦争を考える会」は20代から70代までの市民15人で毎月学習会を開いています。この日は聴講者に「最近の世界や日本の動向に危機感を持った人たちの自主性を重んじる集まり」と紹介。原田さんの考えから導き出される「戦争絶対反対」と、かつての敵とも手を携えて平和を目指す「国際連帯」こそ平和への道だと考えて今回の講演会を企画したと言います。事務局の清野光男さん(65)は、「1%の人間が引き起こす戦争は、残った99%の人々同士の抱擁で防ぐことができるのです。戦争は人災です。戦争反対とつぶやくだけでは戦争は止められません」と話していました。 (高越良一/ライター)
◇ 原田要さんは2016年5月3日未明、長野市の自宅で死去した。99歳だった。信濃毎日新聞は、原田さんの8月の100歳の誕生日の前祝いに、この日長野を訪れることになっていた日米の元軍人らが訃報を知って言葉を失い、原田さん宅に駆け付けたと伝えた。原田さんは戦時中、ゼロ戦のエースパイロットとして知られたが、戦後は幼稚園経営などの傍ら、平和を訴える講演などを続けていた。(2016年5月4日更新)