NHKと関係悪化で民放に「3億円放映権」を交渉…『嵐』復活ライブの裏にあるSTARTO社の意図
来年開催で進む「復活ライブ」
メモリアルな1ヵ月は、期待とは裏腹に何事もなく終わってしまった。 今年の11月といえば『嵐』のデビュー25周年となる月。しかし、5人の再結集はなかった。ファンは肩透かしをくらってしまったものの、現在、来年のゴールデンウィークに国立競技場か日本武道館での“復活ライブ”を開催する方向で調整が進んでいるという。そのキーマンとなるのがリーダー・大野智(44)だと語るのは、ある芸能プロ幹部だ。 【秘蔵画像】5人揃った姿が再び...!復活コンサートが予定される『嵐』の活動休止前の貴重写真 「復活コンサート延期の理由は、大野がオッケーしなかっただけです。ボトルネックとなっている大野は、気分的に浮き沈みの激しい状態といわれています。最近も大野が逮捕なんて間違った情報が出回ったことに本人は悩んでいると聞きます」 奇しくもメモリアルの11月下旬、 大野が大麻取締法違反で逮捕されたという誤情報がインフルエンサーのX上の投稿を発端に拡散された。受けてSTARTO ENTERTAINMENT(以下、STARTO社)は11月30日にHPで、〈虚偽の内容の記事・投稿の事実を強く否定する〉と発表し、インフルエンサーも誤りを訂正。事態は収束したように見える。 『嵐』のファンクラブ会員数は300万人ほどといわれ、変わらず根強い支持を得ている。それがSTARTO社の大きな支えとなっているのも事実だという。 「年会費は4000円なので、単純計算でも120億円の収入がある。STARTO社としてはファンを維持するために、コンサートは必ず開催したい。でも大野はオッケーしないし、強行すればメンバー間で亀裂が生まれかねません。その落としどころとして来年のゴールデンウィークに1年遅れの25周年ライブが計画されているというわけです。また’26年には待望の全国ツアーが構想されているといいます」(同前) さらに、復活ライブは“異例の対応”が取られる見込みだ。なんと、復活ライブを地上波で生中継するというのだ。 キー局プロデューサーがその内幕を明かす。 「本来はチケットやグッズ販売に加え、YouTubeなども選択肢にSTARTO社独自でライブ配信したほうが儲かります。そうしない裏には、テレビ局との関係性を修復したい狙いがある。性加害問題が表沙汰となって以降、途絶えた関係性を再構築するため、彼らは最大の武器である『コンサートの放映権』というカードを切ろうとしているんです」 現在はフジテレビと日本テレビが“3億円以上”といわれる放映権を争っているという。一方、キー局プロデューサーは、「配信権という甘い蜜をSTARTO社が手離すはずはない」と続ける。 「今、コンサート初日の地上波中継はテレビ局にやらせつつ、配信権はSTARTO社が持つ案が出ている。ファンクラブ『FAMILY CLUB』のチャンネルで配信をやり、テレビ局はTVerの配信もなしで地上波放映権のみ。それでも中継で10~20%の視聴率を取れる見込みなら、3億円以上の放映権でも元は取れる。STARTO社は配信で元が取れる。両者Win-Winなんです」 ◆『紅白』0枠に見える焦り 気になるのは、NHKが先月19日、『紅白歌合戦』に2年連続で旧ジャニタレの不出場を発表したことだ。NHKの「簡単には歩み寄らない」という姿勢も、STARTO社を他局とのパイプライン強化に駆り立てている。 「STARTO社がテレビ局との関係性を重視するのは、タレント流出に歯止めをかけるためです。音楽番組が下火の昨今、ドラマやバラエティーに出られなければ、事務所に所属する旨味は少ない。NHKに頼れない今、他局との関係も重視し直そうという考えがあるのでしょう」(同前) 一方で、水面下ではNHKとの関係性再構築も狙っている。 「俳優業に力点を置くタレントにとって、NHKは魅力的な存在です。まずギャラは、地上波に加えBSプレミアム、NHKプラスの配信の報酬もきっちり支払うNHKのほうが高い。また制作費も潤沢で、民放の1.5~2倍です。だからいい作品が作れるし、NHK作品は世界のコンテンツバイヤーがチェックするので、海外で注目される可能性も高い。ですから、NHKに出たいというタレントは多いはずです。民放各局との関係性を再構築したあとは、NHKとも取引を再開させたいというのは間違いないでしょう」(同前) 『嵐』というメガコンテンツの裏では、さまざまな思惑がうごめいている。活動休止から4年が経っても応援し続けているファンが報われる形での復活を願いたいが……。
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