「小規模校の励みになる」恩師ら見守った箱根駅伝…糸魚川市出身・山崎丞選手(日体大)2区出走
1月2日の東京箱根間往復大学駅伝で、新潟県糸魚川市出身の日本体育大3年山崎丞(たすく)選手(21)が、各校のエースが集まる「花の2区」に出走した。卒業した小学校は現在、児童数12人で後輩たちは複式学級で学ぶ。恩師は「小規模校児童の励みにもなる」と晴れ舞台を見守った。 【写真】日体大・山崎丞選手 2区は23・1キロと往路では最長で、レースの行方も左右する重要区間。3区への中継所近くの沿道では父圭一さん(51)、兄寛太さん(27)らが声援を送った。区間19位に終わり、レース後に合流した山崎選手は力を出し切れなかったためか目頭を押さえうなだれた。「来年がある、来年」と励まされた。 山崎選手は糸魚川市南部、山あいの根知地域の出身。駒ケ岳(1498メートル)や百名山の雨飾山(1963メートル)に近く、家族によると幼い頃から近くのスキー場や友人の家まで走って向かうなどアップダウンに慣れ親しむ環境で育った。 今は児童数が12人になった糸魚川市の根知小を卒業した。当時の校長で現在は糸魚川市の教育委員、谷口一之さん(69)によると、山崎選手が卒業した頃は30人程度だったという。少子化はさらに進み、現在は5・6年生と、2・3年生の複式学級が一つずつ。1、4年生はいない。 テレビで観戦した谷口さんは「卒業生が力を伸ばしていることは、児童にもいい自信になると思う」と語った。 山崎選手は一昨年の1月、箱根のレース後に母校の糸魚川中陸上部の練習に顔を出した。ともに汗を流し箱根の経験を話して激励するなど後輩思いの一面も。 中学生時代に指導し、現在も副顧問としてかかわる磯貝昭夫さん(64)は「時々顔を出してくれるので彼の背中を見て目標にする生徒がいる 」と話している。