PFAS、計9カ所で目標値超える 岡山市第3回調査、最大で4倍検出
岡山市北区御津地区を流れる旭川水系の1級河川・三谷川とその支流で国の暫定目標値を上回る有害な有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題で、市は25日、流域で実施した第3回調査の結果を公表した。川や周辺の地下水など計9カ所で目標値を超え、最大で4倍を検出した。 【画像】調査地点を示す地図はこちら PFASは発がん性が指摘され、国の暫定目標値は1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)。市は8~10月に計2回の調査を実施しており、暫定目標値を超えた地点はこれで計29カ所となったが、原因は分かっていない。市は調査地点をさらに増やして値の推移を定点観測するとともに、周辺事業所からの聞き取りや不法投棄のパトロールで発生源の特定を進める。 第3回調査は11月21~29日に前回、前々回より上流域を中心に河川9カ所を調べ、石原川の3カ所(200~85ナノグラム)、間瀬川の2カ所(74ナノグラム、55ナノグラム)で暫定目標値を上回った。地下水は民家6軒(同御津宇垣、同御津河内)の井戸水のうち2カ所(120ナノグラム、76ナノグラム)で超過。周辺の農業用ため池3カ所も調べ、高津下池(160ナノグラム)谷池(100ナノグラム)で超えた。 市によると、水道水には影響がなく、住民には井戸水を飲まないよう引き続き呼びかけている。環境保全課は「市民の不安解消のため、今後も原因究明と適切な情報発信に努める」としている。 市は隣接する岡山県吉備中央町で浄水場から極めて高い値のPFASが検出された問題を受け、調査に着手した。PFASを巡っては、環境省が水道事業を担う自治体などに対し、定期的な水質検査と基準値を超えた場合の改善を法律で義務付ける方向で検討している。