「やりきった」主将でエースの明豊・若杉が快投 センバツ交流試合
2020年甲子園高校野球交流試合は第2日の11日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場であり、明豊(大分)が県岐阜商に4―2で勝利した。 【写真特集】県岐阜商・佐々木が第1号 今大会の全ホームラン エースは夏でも輝いていた。4強入りした昨春のセンバツ以来となる甲子園のマウンドにも、明豊の左腕・若杉は9三振を奪い、7回1失点と好投。「たとえ1試合でも、全員で全力で勝ちにいきたい」と意気込んでいた主将が、大舞台で力を発揮した。 圧巻だった。「一番気合が入っていた」という一回。県岐阜商の1番・多和田を外角に逃げるスライダーで空振り三振に取ったのを皮切りに、3者連続三振の立ち上がりだ。二回以降も、130キロ台後半ながら切れの良い直球とスライダーを低めに集め、スコアボードに0を並べた。球数が100球に近くなった七回に1点を失い、この回限りで降板したが、堂々たる投球を見せた。 昨春のセンバツでもエースナンバーを背負った。先発3試合を含む全4試合に登板し、初の準決勝進出に貢献。新チームでは主将を任されたが、昨年9月に右足薬指を疲労骨折し、チームは昨秋の九州大会を強打で制したものの自らは本領を発揮できなかった。「成長した姿を見せる」と今春のセンバツでの雪辱を期していたが、新型コロナウイルスで中止に。夏の甲子園もなくなり一時は意気消沈したが、交流試合の開催が決まり、きっちり照準を合わせてきた。 試合を終えて、グラウンドで感慨に浸りながら校歌を歌った。大分県出身の南こうせつさんが作曲したメロディーにのせ、「夢をあきらめないで」と苦境でも自分を信じる大切さを述べたものだ。 「やりきりました」。苦難の時を乗り越え、すがすがしい笑顔で最後の夏を終えた。【石川裕士】 ◇全16試合をライブ中継 ニュースサイト「毎日新聞」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/)と「Yahoo!JAPAN」が運営する「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)で展開する「センバツLIVE!」では、センバツ交流試合の全16試合をライブ中継します。センバツLIVE!は、パソコンやスマートフォンで、いつでもどこでも無料でお楽しみいただけます。勝負の裏側に迫った最新のニュースや写真特集など、試合の情報が盛りだくさんです。センバツ交流試合にどうぞご注目ください。