韓国サムスン電子、半導体部門のトップ交代-AI分野で巻き返し図る
(ブルームバーグ): 韓国のサムスン電子で半導体部門のトップが交代した。メモリー事業に長年携わってきた全永鉉氏が半導体部門を指揮する。
これまで半導体部門を率いてきた慶桂顕氏は、サムスンの先端技術研究所と未来事業チームの責任者に就く。全氏(63)はスマートフォンやサーバー向けのDRAMやフラッシュメモリーの開発に貢献してきた。
今回の人事は、半導体事業のトップから退きたいと慶氏が申し入れたことから行われた。事情に詳しい関係者が非公開情報だとして匿名を条件に語った。
サムスンは米オープンAIの「ChatGPT」のような対話型人工知能(AI)に使われ爆発的な成長を遂げている高帯域幅メモリー(HBM)でSKハイニックスに後れを取っている。
CLSAセキュリティーズ・コリアのアナリスト、サンジーブ・ラナ氏は「サムスンが年半ばでこうした経営体制の変更を行うのは異例だ」と指摘し、「主導権を失いつつある半導体事業に新たなエネルギーと斬新な考えを取り入れようとサムスンが躍起になっていることを浮き彫りにしている」と述べた。
SKハイニックスの株価は今年初めから35%上昇。一方、サムスンの株価はほとんど変わっていない。21日の韓国株式市場でサムスン株は0.6%安。SKハイニックス株は1%高となった。
原題:Samsung Replaces Chip Chief After SK Hynix Takes AI Lead (2)(抜粋)
--取材協力:Youkyung Lee.
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Yoolim Lee